有料記事花野雄太2025年6月11日 11時35分申告漏れ、所得隠し、脱税…なにが違う? 競馬などの公営ギャンブルで計6億円超の利益を得たのに税務申告をごまかして脱税したとして、東京国税局査察部が、サッカーJ3チームの運営会社の前会長ら2人を所得税法違反容疑で東京地検に告発したことがわかった。2人は独自のコンピューターシステムで機械的に馬券などを大量購入。システムを開発した香港在住の男性は数十億円の利益を得たが、告発は見送られた。 関係者によると、告発されたのはサッカーJ3「アスルクラロ沼津」運営会社の谷強前会長(57)=東京都渋谷区=と、飲食店経営会社の徳中棟梁役員(71)=同新宿区。 2人は中央競馬や地方競馬、ボートレースに投票し、払戻金などの所得が2021年までの2年間に計約6億1千万円あったが、谷前会長は所得を隠し、徳中役員は確定申告をせず、計約2億6千万円を脱税した疑いがある。 2人は修正申告と納税を済ませ、「皆様にご迷惑をおかけし、おわびします」とコメントした。 独自システムは、香港の男性が十数年前に開発した。男性が指示役で、2人は購入役だったとみられる。 2人は、主に中央競馬のネット投票を利用。親族や知人ら名義の約60人分のアカウントを使って1レースで100通り以上の馬券などを購入した。購入額は、多い月で20億円にのぼったという。 払戻金から購入額を差し引いた「利益」はほぼ毎月出ていて、利益のうち約1割を2人が、約9割にあたる数十億円を香港の男性が得ていた。2人は、利益分を現金で保有したり、投資に充てたりしたという。 国税局が昨年3月、2人を強制調査(査察)した。香港の男性は日本での所得税の申告義務がない点などから、告発は見送られたとみられる。 公営ギャンブルの払戻金は通常、的中した投票券の購入費のみを差し引いて「一時所得」となり、年間50万円を超えると確定申告が必要。国税局は、2人が年間を通じて大量購入していたことなどから、一時所得ではなく「雑所得」とし、外れ券の分も経費と認めた。「マルサ」の先に待っているもの 報道記事でよく使われる「税金のことば」を分かりやすく解説する。 今回は①脱税②所得隠し③申告漏れ――について。悪質性が高く、ペナルティーが重い方から①②③となる。 日本では原則、納税者が自ら…この記事を書いた人花野雄太東京社会部|調査報道班・国税担当専門・関心分野調査報道、国税こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月11日 (水)自公 物価高対策の給付で合意梅雨の夜「蒸発現象」に注意備蓄米、20万トン追加放出へ6月10日 (火)移民摘発抗議に州兵を派遣元横綱白鵬が退職会見「仮装身分捜査」で初摘発6月9日 (月)ドーピング容認大会に賛否減り続ける町の銭湯沖縄「最早」タイの梅雨明け6月8日 (日)新米価格 高止まりの可能性も一般人のカニ大量捕獲 問題に原子核はアーモンド形 新理論トップニューストップページへ専務だった父の労災、残業100時間超でも一蹴 壁を越えた娘の闘い5:00森友文書、開示始まる 元職員遺族のもとに9千ページ 改ざん経緯は11:11ロスの一部に夜間外出禁止令 抗議デモにトランプ氏「外国の敵」10:46馬券購入の2人、2.6億円脱税容疑 香港の指示役は数十億円を得た11:35グレタさんが語ったこと ガザをめざした10日間、たどり着けずとも5:00101歳で逝った女性、食卓でつづった原稿用紙 あの夏の原爆と青春10:00