編集委員・吉田伸八2025年6月12日 15時14分定例会見する警察庁の楠芳伸長官=2025年6月12日午前11時19分、東京都千代田区、板倉大地撮影 「大川原化工機」の冤罪(えんざい)事件を巡る民事訴訟で警視庁などが上告を断念したことをうけ、警察庁の楠芳伸長官は12日の定例の記者会見で、「原告の方々をはじめとする当事者の方に多大なるご心労、ご負担をおかけし、警察に対する国民の信頼を損ねたことは極めて遺憾で、警察庁としても重く受け止めている」と述べ、再発防止のための対策を進めていく考えを示した。 楠長官は「警察の活動は国民の信頼の上に成り立っており、今後、警察の公安部門の捜査で二度とこのようなことがないようにする必要がある」と指摘。警察庁が11日に都道府県警に、緻密(ちみつ)で適正な捜査と幹部の指揮を徹底するよう通達で指示したと説明した。警視庁が行う当時の捜査の検証について「しっかりと行われるよう警察庁として必要な監督を行う」とし、検証をふまえながら警察庁としても捜査上の留意点や再発防止策をまとめ、都道府県警への指導を強化、徹底していく考えを述べた。 5月の高裁判決は、警視庁公安部の捜査や逮捕、東京地検の起訴について、一審に続き違法性を全面的に認めた。警視庁と地検は11日、上告断念を発表し、検証の実施と同社社長らに今後謝罪する意向を表明した。この記事を書いた人吉田伸八編集委員|警察庁担当専門・関心分野警察行政、事件、犯罪こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月12日 (木)冤罪事件、警察側が上告断念公文書改ざん 指示メモも開示全国民に2万円 自公給付案6月11日 (水)自公 物価高対策の給付で合意梅雨の夜「蒸発現象」に注意備蓄米、20万トン追加放出へ6月10日 (火)移民摘発抗議に州兵を派遣元横綱白鵬が退職会見「仮装身分捜査」で初摘発6月9日 (月)ドーピング容認大会に賛否減り続ける町の銭湯沖縄「最早」タイの梅雨明けトップニューストップページへ「国民の信頼損ねた」警察庁長官、指導強化へ 大川原化工機冤罪事件15:14選挙ポスター「品位」を保って 昨年の混乱受け法改正、都議選で適用15:00「家賃倍」マンション、値上げ取り消し オーナー側「慎重に再検討」12:31山尾氏、公認見送りに「驚いた。国民民主と一線を画す」離党届を提出12:00iPhoneが「悪者」でも、中国の政府関係者が使い続ける理由とは10:4520世紀のソニーを超えるには 吉田憲一郎氏が到達した「存在意義」14:00