特派員の目:試練に耐える「ダイヤモンドの街」=松本紫帆(ニューデリー)

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特派員の目毎日新聞 2025/6/15 16:00(最終更新 6/15 16:00) 937文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷作業台でダイヤモンドを加工する職人たち=インド西部スラトで2025年4月24日、松本紫帆撮影 4月下旬、インド西部スラトにある小さな工場を訪れると、円卓の作業台を囲んで黙々とダイヤモンドを磨く職人たちの姿があった。回転する研磨盤にダイヤをあてて表面を磨き、ルーペで精度を確かめながら、微調整する。ダイヤ職人の一人は「この仕事に学歴は関係ありません。腕が良ければ収入が上がります」と業界で働く魅力を語る。 インドとダイヤモンドの歴史は深い。紀元前、南部ハイデラバードにあるゴルコンダで発見され、18世紀ごろまでインドが世界最大の産出国だったとされる。現在は、ロシアやボツワナ、カナダなどが原石の主要な産出国だが、その加工は、安価で豊富な労働力を有するインドがけん引してきた。スラトは世界で流通するダイヤの9割を扱っているとされ、約80万人の関連労働者を抱える。ダイヤを含む宝飾品はITや医薬品などと並ぶ重要産業の一つだ。Advertisement道路上に設置されたダイヤモンドの形をしたオブジェ=インド西部スラトで2025年4月25日、松本紫帆撮影 しかし今、ダイヤ業界に不況の波が押し寄せている。2022年のロシアのウクライナ侵攻では、主要7カ国(G7)は、制裁としてロシアで採掘されたダイヤの輸入を禁止。ロシアから多くの原石を仕入れていたスラトの製造業者らに大きな打撃を与えた。そして25年4月、トランプ米大統領が全世界に一律に課した10%の関税が追い打ちをかけている。 スラトでダイヤの加工会社を経営するアルペシュ・ドバリヤさんは、業界の先行きに不安を感じている一人だ。22年以前の売り上げは月200万ルピー(約340万円)を超えたが、現在はその半分ほど。貴重な熟練の職人たちを解雇するわけにはいかず、需要の回復を期待して、在庫用として生産を続け、給料を支払い続けている。ドバリヤさんは、業界は地政学的な影響を直接的に受けやすいと考えており、「次の世代に、この仕事を引き継いでほしくはないと思っています」と静かに語った。 こうした事業者からの声について、スラトダイヤモンド協会のクント会長に尋ねてみた。「私たちは過去50年間で最も長い不況の中にいます」と語る一方、希望は捨てていないという。「これまで協会は病院や学校建設など社会貢献にも取り組んできました。『ダイヤモンドの街』と呼ばれるにふさわしい都市です」と自負をのぞかせた。厳しい不況を乗り越え、より強い産業への変革に意欲をみせている。【前の記事】夫婦別姓、タイの事情=国本愛(バンコク)関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>