朝日新聞連載子どもへの性暴力記事有料記事編集委員・大久保真紀 狩野浩平2025年6月12日 10時00分性教育講演で、生徒たちに話をする桜井裕子さん。事前に学校と入念な打ち合わせをして実施している=2024年12月13日、埼玉県富士見市、大久保真紀撮影 「肉食は悪くないです」 助産師の桜井裕子さん(61)が体育館で中3の生徒約120人に語りかける。「好きな人と付き合いたい、深め合いたいというのは健康的なこと。でも、その先のことも考えたい」 昨年12月、埼玉県富士見市立西中学校で行われた性教育の講演。 「性的同意」とはどういうことなのか。対等の中で強制されず、行為ごとにお互いがはっきりOKすることが大切――。桜井さんはそう伝え、「消しゴムの貸し借りから体験学習してほしい」と呼びかけた。 もし妊娠したら? 中絶ができる時期や避妊方法、そして性感染症についても具体的に話した。「困ったときには相談するのが大切。でも、実際にはかなり難しいので、困る前に語れる仲間づくりも大切」 約1時間の講演が終わると、男女を問わず、多くの生徒が桜井さんを囲んだ。生徒たちは子宮内に入れて妊娠を防ぐ避妊リングや、コンドームを興味津々で手にし、装着方法も試していた。 学校でこうした授業を続けることは、生徒だけでなく先生の意識を変え、学校全体が変わる。多くの学校で性教育をしてきた桜井さんは、そう言う。「性教育は、人生を幸せにするためのもの。子どもの幸せのためにという思いで進めていってもらいたい」埼玉県富士見市での市を上げての取り組みのほか、愛媛県宇和島市や富山市など、工夫して性教育を展開している自治体を紹介します。このシリーズの次回の配信では、就学前の幼い子どもたちへの性教育について取りあげます。性教育講演の後、講師のところに来て、実際にコンドームの付け方などを学ぶ生徒たち。ちゃかす生徒はひとりもおらず、みな真剣そのものだった=2024年12月13日、埼玉県富士見市、大久保真紀撮影■「性教育は人権教育であり…この記事を書いた人大久保真紀編集委員専門・関心分野子ども虐待、性暴力、戦争と平和など狩野浩平東京社会部|教育担当専門・関心分野いじめ、不登校、子どもの権利、ニューロダイバーシティー、幼児教育、性暴力関連ニュースこんな特集も教育情報(PR)注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月12日 (木)冤罪事件、警察側が上告断念公文書改ざん 指示メモも開示全国民に2万円 自公給付案6月11日 (水)自公 物価高対策の給付で合意梅雨の夜「蒸発現象」に注意備蓄米、20万トン追加放出へ6月10日 (火)移民摘発抗議に州兵を派遣元横綱白鵬が退職会見「仮装身分捜査」で初摘発6月9日 (月)ドーピング容認大会に賛否減り続ける町の銭湯沖縄「最早」タイの梅雨明けトップニューストップページへ米、相互関税の90日期限延長か 「誠意ある交渉」条件、日本も影響9:30男女平等、日本は前年と同じ118位 G7で最下位 政治分野で後退7:41唐揚げ1個の給食「寂しい思い」 福岡市長、バックアップの考え示す8:00性教育で中学生たちは変わった 「知らない方がもっと恥ずかしい」10:00首相、衆参同日選見送りへ 不信任案不提出受け、衆院解散しない方針5:00知床で消えた「黒い川」 世界自然遺産の象徴「カラフトマス」が激減9:00