万博ユスリカ駆除で殺虫スプレー? 本当にまいたかファクトチェック

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石田耕一郎2025年6月17日 5時00分ファクトチェック 蚊に似た羽虫「ユスリカ」が大量発生している大阪・関西万博の会場で、運営スタッフらしき人物が殺虫スプレーのようなものを散布している。(5月26日、Xで紹介された画像)【ネットに投稿された画像】 ユスリカが大量発生している大阪・関西万博の会場で、運営スタッフらしき人物が殺虫スプレーのようなものを散布している画像(Xの投稿から)万博で大量発生中のユスリカ駆除に関する画像が拡散 画像などを検索できる「グーグルレンズ」で調べると、同じ画像が5月26日午後、ネット掲示板に匿名のアカウントから投稿された後、他のサイトやX(旧ツイッター)などにも転載されていた。 見られた数などを示す「インプレッション数」が100万を超えた投稿もあり、SNSなどでは、この画像に対し、「ショボこんなんであの大量の虫駆除できるんか?」「これが2025年に万博でやる虫対策とは…」など、駆除の実効性を疑う声が寄せられ、「生成AIよな?」「フェイクではありませんか」と画像が真正かを問う投稿もあった。夕暮れ時、大阪・関西万博の大屋根リングではユスリカと思われる虫が大量に飛んでいた=2025年6月7日午後7時、大阪市此花区、恒成利幸撮影 万博を主催する日本国際博覧会協会の運営統括室によると、協会は5月27日、ユスリカの発生源とされる会場南側の水辺「ウォータープラザ」(3ヘクタール)で行われる噴水ショー「アオと夜の虹のパレード」のイベントスタッフが同26日に、観客のそばで市販の殺虫スプレーを散布したことを把握した。イベントを実施する会社との打ち合わせで知り、今後は散布をやめるよう要請したという。 協会の担当者は朝日新聞に、「屋外空間での殺虫スプレーの散布を不快に感じる来場者もいるうえ、駆除の効果も『多勢に無勢』で疑わしいため」と理由を説明した。今後については、「メーカーなど専門家の意見を聞きながら、適切な対応を探っていきたい」と話した。 一方、画像の真偽について、協会は、殺虫スプレーの散布があった万博会場で撮影された写真だと判断している、と取材に説明した。画像のスタッフは噴水ショーのタイトルが記されたジャンパーを着ていた。画像の背景には会場の大屋根リングなどがあり、記者はウォータープラザのそばで、同じ構図の景色を確認した。記者は、ユスリカの発生源の一つとみられるウォータープラザ付近で、拡散画像と同じ構図の景色を確認した=6月4日、大阪市此花区の夢洲、石田耕一郎撮影 また、画像がAIで生成されたものかを調べる方法として知られるサイト「HIVE」を使ったところ、「AIで作成されたり、ディープフェイクが含まれたりしている可能性は低い」という結果だった。 ユスリカは、大屋根リングの柱に大量に張り付いていたり、夕方以降に電灯の近くに集まっていたりする。【判定結果=正確】正確 日本国際博覧会協会は、ユスリカの発生源とされる水辺「ウォータープラザ」で行われる噴水ショーのスタッフが、元の画像が投稿された5月26日に観客のそばで市販の殺虫スプレーを散布したことを確認した。しかし、効果に疑問があるため、今後はやめるように要請した。2025大阪・関西万博2025年4月13日に大阪・関西万博(2025年日本国際博覧会)が開幕しました。関連のニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月17日 (火)国民民主、野党首位明け渡す2万円給付案の根拠を説明コメ不足でも大量に廃棄6月16日 (月)米首都で異例の軍事パレードイラン国防軍需省にも攻撃地域の文化か ルール違反か6月15日 (日)日鉄のUSスチール買収を承認イラン攻撃 軍とモサド連携か「OTC類似薬」保険適用外に?6月14日 (土)イスラエル、イラン核施設空爆すべてのコメ、転売禁止へネコを治療した獣医師が死亡トップニューストップページへイラン、敵対行為の終結へ交渉模索 トランプ氏も「話し合いを」5:21トランプ氏「G8のままなら戦争起きず」 中国含むG9にも前向き3:26石破首相、17日にトランプ氏と会談へ 関税交渉での一致が焦点21:00コメの流通「複雑怪奇」、解明にはハードルも 背後にちらつく農林族19:00佳子さまの動画、「削除は困難」とX側が回答 宮内庁が明かす16:38万博ユスリカ駆除で殺虫スプレー? 本当にまいたかファクトチェック5:00