デモクラシーズ毎日新聞 2025/6/17 05:00(最終更新 6/17 05:00) 有料記事 3384文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷藤田直哉さん=川崎市麻生区の日本映画大で2025年5月14日午後3時37分、千脇康平撮影 交流サイト(SNS)が政治を動かす時代になった。動画が有象無象の「物語」を運び、人と人をつなぎ、また分断している。ネットカルチャーに詳しい批評家の藤田直哉さんは「情報に翻弄(ほんろう)される人々の苦境にも目を向けてほしい」と語る。【聞き手・千脇康平】動画で拡散される「物語」 ――2024年はSNSの政治への影響力を存分に見せつけた一年でした。 ◆インターネットを介して広がるポピュリズム(大衆迎合主義・反エリート主義)的現象が政治に影響し始めたというよりも、その影響力を政治が決定的に無視できなくなったのが24年でした。東京都知事選で石丸伸二氏が次点と躍進し、兵庫県知事選では劣勢とされた斎藤元彦氏が再選。SNS戦略が奏功した国民民主党は、衆院選で議席を4倍に増やしました。国外でも米大統領選でトランプ氏が返り咲いたほか、SNSの偽情報にだまされた韓国大統領が「非常戒厳」を出して国を混乱させる出来事もありました。 ネット・ポピュリズムが多くの人々に影響を与え、投票行動につながり、実際に当選させたりするという結果をもたらすようになった。その意味で、分水嶺(ぶんすいれい)を越えたと思います。 ――アルゴリズムの影響が大きいですが、SNSを開くと政治系のショート動画が次々と表示されます。 ◆数十秒という短い尺なので、単純な快楽を生み出すような「物語」がはやりがちです。ネット上で政治的影響力を持つショート動画には人を動かすパターンがいくつもありますが、ほとんどが既にネットにあった分かりやすい物語ばかり。「私たちの公金を誰かが不正に取っている」とか「私たちが不幸なのは『あいつら』のせいだ」とか……。 はやる背景にあるのは、人々の不安だと思います。自分という存在を誰かに認めてほしい。あるいは不遇の原因を何かに求め、納得したい。そんな感情に働きかける、似たような物語が繰り返されます。今の政治家たちはそうした物語に当てはめて動画を作ってもらったり、作ったりしているように見えます。 ――新聞やテレビなどのオールドメディアが取りこぼしがちな声が拾われるメリットもあります。 ◆一方で、(発信者が)既にネット上に広がっている陰謀論や過激派の物語みたいなものの拡散を狙っているケースもありますから、冷静な判断が必要です。同じ系統の話を何回聞いても喜ぶような人々の「固まり」を、戦略的にガサッと取り込もうとしているようにも見えます。 そういう意味で、政治は後追いしていると思います。分かりやすい物語がネット上で自然発生的にはやり、反復する中で分断が起きる。その分断されたトライブ(共通の興味・関心を持つ集団)を獲得するような物語を、政治の側がどう作るか。これは「どう迎合するか」とも言い換えられるでしょう。俯瞰する冷静さを ――テキスト(文章)と動画の違いは。 ◆テキストは読む際に思考を求め、意識化や対象化を要求しますので理性的な対…この記事は有料記事です。残り2168文字(全文3384文字)【次の記事】37歳タクシードライバーが希望を見いだした、ある新興政党の動画【前の記事】弾劾巡って割れた韓国世論 「極右ポピュリズム」が拍車 韓国識者関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>