踏切だらけ「近鉄最大のジャンクション駅」の“現実的な高架化プラン”県が発表 40年計画を20年に 停滞する議論を動かせるか?

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2025.06.05乗りものニュース編集部tags: 大和西大寺駅, 近鉄, 近鉄京都線, 近鉄奈良線, 近鉄橿原線, 鉄道奈良県の山下 真知事は2025年5月30日の定例会見にて、近鉄「大和西大寺駅」の新たな高架化プランを発表しました。 奈良県の山下 真知事は2025年5月30日の定例会見にて、近鉄「大和西大寺駅」の新たな高架化プランを発表しました。奈良市を交えた協議が停滞するなか、県はこの案をもとに議論を動かしたい構えです。大和西大寺駅(画像:写真AC)。 大和西大寺駅は近鉄奈良線、京都線、橿原線が交わる同社最大のジャンクション駅です。周辺の8つの踏切が「踏切道改良促進法」に基づく改善の対象になっていることもあり、2020年には大和西大寺駅の高架化と、世界遺産に登録されている平城宮跡を横切る奈良線(大和西大寺―近鉄奈良)の移設をセットで、40年の期間を想定して進める計画が一度は基本合意されました。 しかし、2023年に就任した山下知事が、それに“待った”をかけます。「大和西大寺駅の高架化のみを行い、平城宮跡内の近鉄線は存置する事業案」を新たに検討する方向で、県・市・近鉄の3者協議を踏まえ整備方針を決定するとして、2回の協議会を開催したものの、それ以降、奈良市が「時期尚早」だとして席に着かず、3回目の協議会を開催できないままだといいます。 このため、山下知事は「事業の見通しが立たない」として、この日に行った政府への要望の最重点事項から、従来盛り込んでいた大和西大寺駅の高架化を見送ることとしました。 そこで今回、事業を進めるべく県が新たに提示したのが、大和西大寺駅の高架化後のイメージ図です。「高架化に際し、奈良線は南側、京都線は西側へ、線路をずらします。その旧線敷に、(西側の)菖蒲池方面から西大寺に向かう県道を新たに通すことで、劇的に環境が変わる」(山下知事) 大和西大寺駅は渋滞だけでなく、北側は狭く、歩車分離もできていないといいます。県の案は既存のロータリーを移設することなく、駅の南北の分断の分断を解消するほか、「空いた土地を活用して駅ビル建設も可能になる」として、そのイメージまで描き込まれています。 駅高架化と線路移設で約2000億円、期間40年に対し、駅高架化のみならば約1000億円、20年で済むということです。【次ページ】「高架化は要らない」市を振り向かせられるか?【よさそう…?】これが「大和西大寺駅」の今と「現実的な高架化案」です(写真)