高校生が「バズる」政治動画をつくったら……教師も戸惑う結果に

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毎日新聞 2025/7/5 11:00(最終更新 7/5 11:00) 1746文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷制作者の意図や内容の正確さに注意しながら動画を見る必要があると生徒たちに話す大塚功祐教諭(右奥)=千葉県松戸市の県立小金高校で2025年6月24日午後1時58分、小林多美子撮影写真一覧 どんな政治動画ならバズるのか? 高校生たちが政治家になったつもりで、インターネット上で話題になる動画づくりにチャレンジする授業を受けた。 完成した作品の中から、最も再生回数が伸びそうなものを高校生自身に選んでもらうと――。 その結果は、授業を企画した教師も「想定外」のものだった。「誹謗中傷しない」がルール この動画づくりは、千葉県立小金高校(松戸市)の2年生4クラスの「公共」と3年生2クラスの「政治経済研究」の授業で行われた。Advertisement 政治や選挙活動で動画の影響力が増しており、生徒たちにも動画を見る際の注意点や制作者の意図を読み取る力を学んでほしい――という狙いだった。 設定は「内閣不信任案が可決され、衆院選に向けて選挙用の政党の動画を制作する」。 生徒は平和安全党、福祉充実党、経済活性化党、環境未来党、AI改革党という架空の政党5党に分かれた。チャットGPTを使ってつくられた政党ロゴ(大塚教諭提供)写真一覧 各党の基本政策は、授業を企画した大塚功祐(こうすけ)教諭(43)が決めた。 ルールは事実を伝え、誹謗(ひぼう)中傷はしないこと。それぞれの政策に沿った2分以内の動画をつくった。 授業は6月上旬に始まり、生徒たちは自由時間や放課後を使って動画を制作。2週間後の6月下旬、発表会を迎えた。最も人気だったアニメのパロディー 3年生の一つのクラスで最も再生回数が伸びそうな動画に選ばれたのは、人気アニメ「呪術廻戦(じゅじゅつかいせん)」をパロディー化したAI改革党のものだった。 タイトルは「政党廻戦」。 インターネット上のフリー素材などを用い、顔だけは生徒たちにしたアニメキャラクターが登場する動画をアニメ制作アプリなどでつくった。 動画が上映されると、教室は爆笑に包まれて拍手が起きた。 ストーリーは、アニメの悪役キャラクターを「不景気の化身」として指名手配し、主役のキャラクターが倒すというもの。 その合間に生徒が「減税で景気回復」「教育費第一」といった政策を説明する動画を字幕付きで挟み込んだ。人気アニメ「呪術廻戦」をもじった「AI改革党」の動画タイトル「政党廻戦」(大塚教諭提供)写真一覧 代表の生徒は「2分間、飽きさせないことを心がけた」と狙いを話した。 これに対し、他党からは「著作権は大丈夫なのか」「面白い動画に挟まれて政策の内容が入ってこなかった」などの指摘もあったが、政策が理解しやすかったという評価は高かった。「政策の内容より動画の質」重視 ネガティブキャンペーンのような動画もつくられた。 環境保護を掲げる環境未来党は電気自動車の普及を訴えるため、ガソリン車にこだわる政治家を指して「『まだ馬に乗ってる時代がいい』と言ってるようなものだ」と皮肉った。 この環境未来党の代表の生徒は「ガソリン車を批判するのが効果的と思った」と説明した。「環境未来党」の生徒たちがつくった動画の一場面。ガソリン車にこだわる政治家を指して「『まだ馬に乗ってる時代がいい』と言ってるようなものだ」と皮肉った(大塚教諭提供)写真一覧 動画の多くは人工知能(AI)の音声によるナレーションを入れたり、生成AI「チャットGPT」を使って政党のロゴをつくったりしていた。 生徒たちは大塚教諭が戸惑うほど動画編集を使いこなし、クオリティーの高いものに仕上がった。 一方で「編集技術が高かった」という理由で高評価を得る動画があるなど「政策の内容よりも動画の質」が重視される傾向も見られ、「面白くないと拡散もされない」との声も上がった。 これに対し大塚教諭は、情報の質よりも人々の注目や関心を集めることが経済的価値を持つことを指す「アテンションエコノミー」の手法を紹介。動画投稿サイトは再生回数が多いほど広告収入が上がる仕組みになっていることを指摘し、「配信する人の目的はどこにあるのか、考えながら見てほしい」と話した。 情報の正確性にも注意するよう呼び掛け、ネット上の偽情報対策などを行う非営利組織「日本ファクトチェックセンター」が、時系列を操作した動画を「不正確」と判定したケースを紹介した。 すると、生徒からは「複数の動画を見たり、正確さを確かめたりする必要がある」などの意見が出た。 生徒は記入シートで他党の動画を、視聴者を引きつける内容だったか▽伝えている事実は正確だったか▽政党の政策や主張が理解できたか▽納得・共感できる内容だったか――の4項目でも評価を付けた。 大塚教諭は「人気の高かった動画が、実際にどれほど政策の正確な理解につながっていたのか。今後の授業で検証していきたい」と話した。【小林多美子】【時系列で見る】関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>