2025.07.05乗りものニュース編集部tags: 台湾軍, 歴史, 船, 艦艇(軍艦)台湾には同じく傘寿越えの潜水艦がまだ現役で残っています。艦齢81年と71年のベテラン船 台湾(中華民国)国防部は2025年7月2日、長らく使われ続けた軍艦2隻の除籍式を行ったと発表しました。拡大画像2025年7月1日に行われた航洋えい船「大岡」と掃海艇「永陽」の除籍式典。手前の艦番号554が「大岡」で、右奥の1306が「永陽」(画像:中華民国海軍)。 退役したのは航洋えい船「大岡」と掃海艇「永陽」で、式典は前日1日に台湾南部の高雄で執り行われたとのことです。 説明によると、「大岡」はアメリカ海軍が建造した「アチョマウイ」で、第二次世界大戦中の1944年11月に進水しています。その後、太平洋艦隊の所属艦として大戦末期に沖縄やグアム近海で活動したほか、1946年にはビキニ環礁での核実験「クロスロード作戦」の支援にも従事しています。台湾には1991年に引き渡され、各種演習や救難任務に当たったといいます。「永陽」も同じく、当初はアメリカ海軍向けの艦艇「インプリシット」で、1953年8月に進水、1954年3月に就役しています。台湾には1994年に引き渡され、その後は台湾海軍の軍艦としてさまざまな演習に参加しています。ちなみに「永陽」は掃海艇のため木造でした。「大岡」は81年、「永陽」は71年にわたり運用され続けたベテラン中のベテラン艦と言えるでしょう。 式典では、台湾海軍の司令官が除籍を宣言すると、両艦の幹部が旗や印鑑、艦名プレートを返納。その後、船体のナンバーが塗りつぶされ、除籍が完了したとのことです。 なお、台湾海軍には依然として艦齢80年を数える潜水艦「海獅」が現役で残っています。こちらは、第二次世界大戦中の1945年3月に就役したアメリカ海軍のテンチ級潜水艦の1隻で、1973年4月に台湾に売却され再就役しています。 ほかにも戦車揚陸艦(LST)などに艦齢80年以上の艦艇があり、それらの代替が台湾海軍の課題となっています。【安全性は大丈夫?】これが80年以上使われている台湾軍の潜水艦です(写真)