2025.06.18中島みなみ(記者)tags: ヤマト運輸, 日本郵便, 物流, 自動車日本郵便の点呼不正について、「一般貨物自動車運送事業の許可取消」という国土交通省の重い行政処分が決着しました。日本郵便は不足するリソースを外部委託で補う方針。ここで浮上したのが、同社が訴訟を提起した物流企業との関係です。 日本郵便の点呼不正の影響は、一般貨物自動車運送事業の許可取消という、物流史上かつてないほどの厳しいものになりました。郵便局と日本郵便グループのトラック。今回の行政処分の対象ではない。写真はイメージ(中島みなみ撮影) この処分は、2025年6月18日に予定された同社への聴聞後に確定するはずでしたが、国土交通省への報告で処分の受け入れを表明。実質的には、同社が保有する1トン以上のトラック2500台が最低5年間使用できないことになりました。 ボディに「ゆうパック」と書かれたトラックは、主に大口荷主からの集荷作業に用いられています。都市部ではデパートなど、地方部では特産の果物など大口の依頼に対応するもので、一部は郵便局間輸送に用いられています。一般貨物自動車運送事業の取消による影響は、大口の集荷依頼を扱う約330局が影響を受けます。 日本郵便が夏の繁忙期に抱える急を要する課題は、中元シーズンの小包と参議院選挙の郵便物です。社内的には、トラックが担っていた集荷は、現時点で行政処分の決まっていない軽貨物に割り振ることが想定されています。全国には約3万2000台の軽四輪が配備されていますが、通常は配達業務を担っている軽四輪には、二重の負担がかかります。 そのため軽四輪からあふれた小包の配達を、約8万3000台ある原付バイクで行うことになりますが、原付バイクには参議院選挙の投票用紙を配達する本来業務が待ち受けています。 業務能力の低下をどう補うのか。6月17日に会見を行った千田哲也社長は、次のように話しました。「軽四輪車両がカバーするのは今回の行政処分後の荷量の約42%。ただ、軽四輪に対する行政処分に該当する車両が使えなくなることを想定すると、どうしても外部委託を増やさざるを得ない。そのバッファをどう埋めていくのか、関係の会社と話をしている」【次ページ】提訴中の相手にも「助けて!」【え…!】これが、日本郵便が“助けて!”依頼した運送会社です(写真)