海底の砂地に潜み、獲物を待つ夢想家?「スターゲイザー」

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毎日新聞 2025/6/25 06:00(最終更新 6/25 06:00) 1245文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷背中にある目が常に上を向いているため、「スターゲイザー」と呼ばれることになったという=高知県大月町で、三村政司撮影 英語で「スターゲイザー」と呼ばれています。星を見つめる者、転じて天文学者や占星術師、さらには「夢想家」といった意味があるそうです。魚類の英語名の多くは単純でやぼったいと感じているのですが、この名前はロマンチックでイカしてます。おどろおどろしい顔かたちなのに。 シコンハタタテハゼを取り上げた前回は「たいていのサカナの正面顔はちょっとお間抜けでかわいらしい」と書きました。でも「たいてい」に当てはまらないのが、肉食のサカナです。とがった歯がむき出しだったり、どう猛な表情だったり。とりわけ、気づかれにくい場所にひそみ、エサを待ち構える捕食者はグロテスクですらあります。スターゲイザーがその典型。Advertisement   ◇ 標準和名だと「メガネウオ」です。目の周囲の隆起と、目から下がる黒い横帯がメガネをかけているように見えるからだとか。名前だけだと「メガネくん」と呼びたくなるような愛嬌(あいきょう)があるのに、海底の砂地にひそみ目だけをキョロキョロ動かしているのを見つけたときには「魔物がいる」とドキリとさせられます。彼らが実際に見つめているのは星や夢ではなく、日々を生き抜くため空腹を満たしてくれる獲物です。   ◇ この時は、分かりやすいよう「メガネくん」の体を隠していた砂を払いました。堂々としていて、この程度で逃げていくことはありません。通常は、目だけを砂の上に出しています。小魚やエビ、カニなどがやってくると、少し開空けた口からゴカイに似せただいだい色の細長いエスカ(疑似餌状の器官)を出してチロチロと動かします。さらに近づくと瞬時に丸のみ。 カレイやヒラメのような平べったい体形を想像してしまいますが、意外にもでっぷりしていて横から見ると大型のフグのようなシルエット。全長は30センチ前後。海中を泳いで移動したあと砂地に着底し、体を震わせて砂を掘り体を隠します。 富山湾や千葉県から台湾までの浅い砂地で暮らし、ヒトの目につく機会は少なくないはずなのに知名度は低く、水族館などで展示される機会も少ない。刺し身や煮付けにするとおいしいというものの、身の部分が少ないうえ傷みやすく市場に流通しません。隠れていてダイバーにも気づかれないため、関心が持たれにくい。   ◇ なのに、日本の動物について欧文で記した最初の資料として名高い「Fauna Japonica(日本動物誌)」には記載されています。日本動物誌は、江戸時代末にシーボルトが日本で採集してオランダへ持ち帰った標本や緻密で精細な絵などをもとに、1833年から50年に刊行されました。案外、メガネウオは海外の方が知られているのかもしれません。 シーボルトが持ち帰った標本を整理し「日本動物誌」を執筆した、オランダ・ライデン自然史博物館長のテミンクと、脊椎(せきつい)動物担当だったシュレーゲルの名前がメガネウオの学術名の一部になっています。魚類に限らず日本の脊椎動物の学術名には、2人の関わる種が多いのです。(高知県大月町で撮影)【三村政司】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>