長南里香速報毎日新聞 2025/6/20 09:00(最終更新 6/20 09:00) 有料記事 2108文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷太陽光パネルの下で田植えをする子供たち=山形県酒田市で、長南里香撮影 日本全体が人口減社会へと進む中、特に地方の人口減少が著しくなっています。「地方の衰退」は誰にも止められないように見えますが、果たしてそうなのでしょうか。山形県の日本海側にある鶴岡通信部で2000年9月から勤務する長南里香記者は、地元生まれの地元育ち。郷里の人口減にさみしさを感じつつも、自身も稲作を経験しながら「農と食を中心としたネットワークでつながれば、未来は決して暗くない」と訴えます。人口100万人割れの山形 人口減少対策が企業誘致などの他者頼みでは、寂しすぎないか。農業を生かし、住民同士のつながりや関係人口を育んで、都会がうらやむ地方をつくってみせる「奥の手」があってもいい。 山形県は5月、同月1日現在の人口が100万人を割り込んだと発表した。東北では2017年の秋田に続き2県目で、出生が死亡を下回る自然減と、進学や就職による若者の流出が要因とされる。 県北西部に位置する人口11万人余りの鶴岡市で生まれた私にとっても人ごとではない。子供は進学を機に首都圏に出て、戻らない可能性が高い。人手不足が加速するこの先、老後に医療や介護が満足に受けられるのだろうかと想像すると、不安が募る。 鶴岡市の人口減少率は県内主要7市の中で新庄、酒田両市に次いで高く、10年前と比較して人口は約12%減った。 出生数は過去最低水準で推移し、24年は556人。少子化が中学校の部活数の減少に顕著に表れる。朝日連峰のふもとの山村出身の私が、女子ソフトボール部の遊撃手だった1980年代、地区大会は11校が頂点を目指ししのぎを削った。だが、今は1校だけが、地区大会を経ずに県大会に出場する。高齢化も進み、取材拠点を置く市中心部でも、いずれ町内会の回覧板や集金の当番が担えなくなるのは目に見えている。「食の聖地」Iターン相次ぐ 国内全体の人口が減る中、山形県で増やすのは至難の業だろう。減少を緩和する鍵は、豊かな食を生む足元の農業にあるのではないか。 食が育む交流を移住につなげている好例が酒田市にある。市が官民連携で23年に完成させた移住者向け鉄骨3階建ての賃貸マンション(18室)には、これまで約30人が入居した。同市を含む庄内地方とコメの取引などを通じて交流がある生活クラブ生協連合会(東京)との連携がきっかけで、「食の聖地」に魅了されたIターンが相次ぐ。 マンションから住み替え、パプリカを栽培する農家を手伝う人たちもいる。「食の生産現場近くで暮らせる安心感」を共通認識にしたつながりは不思議に途切れないといい、事情があって酒田を離れた人も、機会を見つけて戻っては関わりを持ち続けている。 関係人口を増やしながら、地元の子供たちも農業に興味を持つようになった取り組みがある。酒田市の農業用水設備メーカー「メカニック」が21年に導入した、太陽光パネルの下の稲作で食糧生産と売電収益を両立する営農型太陽光発電だ。田植え体験などのイベントには、県内外からの一般参加者が増えているという。農業と福祉の連携の一環として同社から、収穫したコメの提供を受けてきた鶴岡市の児童養護施設「七窪思恩園」では、興味が芽生えて農業高校に進学した子供もいる。 山形大農学部は鶴岡市などで農家と加工業者、小売店と連携する食と農の地域内循環「スマート・テロワール」を推進し…この記事は有料記事です。残り738文字(全文2108文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>