「核の恐怖の生き証人」原爆小頭症の人らの会が結成60年 誕生会も

Wait 5 sec.

柳川迅2025年6月28日 20時30分きのこ会の誕生会。ケーキのろうそくを吹き消す原爆小頭症患者の川下ヒロエさん(左)と田中敏子さん(中央)、賀村春男さん=2025年6月28日午前11時29分、広島市東区牛田新町1丁目、柳川迅撮影 広島、長崎への原爆投下で胎内で強い放射線を浴び、脳や身体に障害を負った「原爆小頭症」の人たちがいる。その当事者らが79歳を迎えたことを祝う誕生会が28日、広島市東区の神田山荘であった。会を開いたのは当事者と家族らでつくる「きのこ会」で、前日27日で結成60年を迎えた。 原爆小頭症は、1965年に刊行された岩波新書「この世界の片隅で」のルポで広く知られるようになった。中国放送の記者だった故秋信利彦さんが米国原爆傷害調査委員会(ABCC)の職員からひそかに患者リストの提供を受け、当事者を訪ね歩き、執筆した。 刊行を前にした同年6月27日に広島市内の婦人会館に当事者のいる6家族が集まり、きのこ会を結成。原爆症認定や終身保障、核兵器廃絶を求めて活動してきた。 これまでにきのこ会に参加した当事者は25人。現在は10人で、すべてが広島での被爆者だ。 誕生会にはオンライン参加の2人を含めた5人の当事者を含め、家族、支援者ら約50人が集まった。会場には今年1月に78歳で亡くなった岸君江さんの遺影が置かれ、冒頭に黙禱(もくとう)を捧げた。 小頭症の人たちは46年1~3月に集中して生まれており、存命者はみな79歳となった。長岡義夫会長(76)は「みなさんは20歳まで生きられないと言われたが、来年にはその4倍の年になる。いつまでも一番若い被爆者でいてください」とあいさつした。 会ができた当時は中国新聞記者で、結成会合にも出た元広島市長の平岡敬さん(97)は「今の核状況、トランプ大統領の発言を考えると複雑な気持ちだ。みなさんは核兵器の恐ろしさの生き証人だ。来年もここでお会いしたい」と話した。 会では、当事者3人がバースデーケーキのろうそくを吹き消したり、長岡会長からそれぞれに表彰状が手渡されたりした。会場にはきのこ会の発足初期に撮影された患者や家族の写真が展示された。【はじめるなら今】記事読み放題のスタンダードコース1カ月間無料+さらに5カ月間月額200円!詳しくはこちら戦後80年第2次世界大戦では、日本人だけでも300万人以上が犠牲になったと言われています。戦後80年となる今年、あの時代を振り返る意義とは何か。全国各地のニュースをまとめています。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月28日 (土)座間9人殺害 死刑執行生活保護引き下げ「違法」和歌山のパンダ4頭、中国返還6月27日 (金)定期預金金利の競争激化メタの著作権侵害認めず触ると危険な植物 大学で自生6月26日 (木)フジ取締役選任、会社案可決日本郵便の事業許可取り消しフリーランスに無償で講師役6月25日 (水)イスラエル・イラン 停戦合意丸亀製麺 「休憩時間」に労働UFOキャッチャー進化40年トップニューストップページへ肺がんになった養老孟司さんの「幸せ」 死を遠ざけた現代への憂い7:00斎藤知事らへの疑念招いた優勝パレード 「楽観過ぎ」第三者委も苦言18:00教員が容疑者の女児盗撮事件 「見聞きしたことない」識者語る異常さ18:00「そのシワなかったことに!」の根拠確認できず 消費者庁が業者処分17:00「かわいくない」が許せない 5歳上の夫も上げられぬ私の自己肯定感15:00朝ドラのセリフに「ん?」地元は違和感、放送局には悩みのアクセント10:00