「電気も水も来ん。もうここには…」地震と雨で被災、集団移転要望へ

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有料記事上田真由美2025年2月27日 11時00分集落の入り口、道路だったという場所に、電柱が倒れ、流木が折り重なっていた=2025年2月24日午後3時26分、石川県輪島市別所谷町、上田真由美撮影 昨年の能登半島地震で被災した石川県輪島市の山あいにある別所谷町の住民たちが27日午後、市街地への「集団移転」を求める要望書を坂口茂市長に提出する。 輪島市は「復興まちづくり計画」で「生活拠点の集約化」に言及し、国の補助金を利用した「防災集団移転」の調査費を補正予算に盛り込むなどしているが、実際に、山間部の住民から市街地への集団移転の要望が出されるのは能登の被災地で初めてだ。 山あいの集落はいま、どうなっているのか。24日午後、輪島市街地の仮設住宅で暮らしながら頻繁に別所谷町に通っているという元区長の倉山邦雄さん(77)に案内してもらった。別所谷町の住民が求める「集団移転」折り重なった倒木、傾いた電柱 市街地から車で20分ほど。別所谷町の集落の入り口でまず目に入ったのは、谷のような場所に折り重なった倒木と、谷から生えたように突き出た、傾いた電柱。 「ここが道路やった」と倉山さんは言う。昨年元日の地震の後、集落内の道路は応急復旧されたが、9月の豪雨で大規模な土砂崩れが起き、また崩れたという。 ここから先は車で進めない。道路が崩落してできた穴のへりを、倉山さんについて歩く。集落の入り口では、道路が崩れ、電柱も一緒に崩落して傾いていた=2025年2月24日午後3時25分、石川県輪島市別所谷町、上田真由美撮影 ひとけのない集落に、新雪がひざより高く積もっている。長靴が雪を踏みしめるキュッキュッという音だけが辺りに響く。 震災前、この集落には43世帯79人が暮らしていた。いま、ここに住む人はいない。 窓ガラスが割れ、ブルーシー…この記事を書いた人上田真由美金沢総局|能登駐在専門・関心分野民主主義、人口減少、日記など市井の記録を残す営み能登半島地震(2024年)2024年1月1日午後4時10分ごろ、石川県能登地方を震源とする強い地震があり、石川県志賀町で震度7を観測しました。地震をめぐる最新ニュースや、地震への備えなどの情報をお届けします。[もっと見る]こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ2月27日 (木)国民民主、与党案を拒否兵庫維新、県議2人を処分「ヘイト本」は置かなかった2月26日 (水)高校授業料の無償化に合意ウクライナ戦闘終結決議採択「進研ゼミ」生成AIを搭載へ2月25日 (火)ドイツで右翼躍進、第2党に立憲民主、「埋没」に危機感陥没事故後、各地で不審電話2月24日 (月)ウクライナ侵攻から3年SNSなりすまし 一斉提訴へ米軍の制服組トップを解任トップニューストップページへ絶望収容所に見た「真の権力」 シリアの「一九八四年」が残したもの6:00裏金問題で安倍派会計責任者を聴取 主導幹部「今は現職でない」9:34焼失した建物、黒焦げの木々…大船渡の山林火災、上空から見た被害11:17トランプ氏、EUからの全輸入品に「25%」関税 発動時期は不明9:23みずほ銀頭取が謝罪、19年の貸金庫窃盗問題で 「不安を与えた」7:41モバイルスイカに不正入金しタバコ購入疑い、大学生2人逮捕11:00