遠藤隆史2025年2月27日 17時09分最高裁判所=東京都千代田区 東日本入国管理センター(茨城県)で収容中に死亡したカメルーン人男性(当時43)の母親が国に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第二小法廷(尾島明裁判長)は26日付の決定で母親側の上告を退けた。救急搬送を求めなかった入管の対応を違法として国に165万円の賠償を命じた一、二審判決が確定した。裁判官4人全員一致の結論。 男性は2013年10月、成田空港に着いたが上陸が認められず、退去命令に応じなかったため翌月に同センターに収容された。糖尿病への投薬や診察を受けていたが、14年3月に死亡。亡くなる1カ月ほど前から胸の痛みを訴え、死亡前夜には複数回にわたり「I’m dying(死にそうだ)」などと訴えていた。 一審・水戸地裁は22年に「重篤な病状の可能性があり救急搬送を求めるべきだったのに入管が注意義務を怠った」と指摘。救急搬送で救命できたとまでは言えないが、延命できた可能性はあったと認め、国に賠償を命じた。 原告弁護団によると、入管の収容者の死亡をめぐり国の責任を認めた初めての事例で、二審・東京高裁も一審判決を支持した。入管の注意義務違反と死亡との因果関係を一、二審が認めなかったことや、慰謝料額などを不服として母親側が上告していたが、第二小法廷は上告理由にあたる判例違反などがないとだけ判断した。この記事を書いた人遠藤隆史東京社会部|最高裁担当専門・関心分野司法、労働、福祉こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ2月27日 (木)国民民主、与党案を拒否兵庫維新、県議2人を処分「ヘイト本」は置かなかった2月26日 (水)高校授業料の無償化に合意ウクライナ戦闘終結決議採択「進研ゼミ」生成AIを搭載へ2月25日 (火)ドイツで右翼躍進、第2党に立憲民主、「埋没」に危機感陥没事故後、各地で不審電話2月24日 (月)ウクライナ侵攻から3年SNSなりすまし 一斉提訴へ米軍の制服組トップを解任トップニューストップページへ「諦めるしかねえもんな」焼失した地元 津波で失った人々 山林火災15:55「電気も水も来ん。もうここには…」地震と雨で被災、集団移転を要望13:02北朝鮮兵、ロシアに追加派遣か 韓国情報機関 「1千人超」報道も16:49少子化、対策進めるも根深い問題 「子育ては女性」、長時間労働…17:00前時津風親方逮捕、偽の駐禁除外標章掲げた疑い 「違反逃れるため」12:00【速報中】藤井聡太名人「理想の新入社員」に照れ笑い 局面は瞬時15:57