大滝哲彰2025年6月5日 13時28分政府が新型コロナ対策として全国に配った通称「アベノマスク」 約400億円の税金が使われた「アベノマスク」はどのように調達されたのか。業者との契約過程を示す文書を開示するよう憲法学者が国に求めた裁判で、大阪地裁(徳地淳裁判長)は5日、大半の不開示決定を取り消して賠償を命じる判決を言い渡した。「当時の繁忙状況を考慮しても文書がないとは考えがたい」と判断した。 新型コロナ対策の布マスクは2020年4月に安倍晋三首相(当時)が各戸配布を表明し、通称「アベノマスク」と呼ばれた。政府は約3億枚を調達したが、約8300万枚が在庫になった。 原告の上脇博之(ひろし)・神戸学院大教授は「巨額の税金が使われた契約で、国にはその過程を国民に説明する義務がある」として、20年4月から複数回にわたって情報公開を請求。契約書や見積書は開示されたが、業者とのやりとりを示すメールや面談記録などは「不存在」とされたため、21年2月に提訴した。 訴訟では、メールを「その都度廃棄していた」という国側の説明を受け、原告側が業者から国の職員と打ち合わせをしたことを示すメールを入手。国側が再調査したところ、職員2人のパソコンから100通以上のメールが見つかった。 だが国は開示に応じず、面談記録についても、業者とのやりとりはほぼ「口頭」だったと担当職員らが法廷で証言。このため、メールが開示対象かどうか、面談記録がないという説明に信憑(しんぴょう)性はあるかが争点となった。 原告側は、今回のメールは組織の意思決定に関わるもので、行政文書管理規則で「都度廃棄」が許されるものではないと主張。業者との契約経過についても「文書で残さないことはあり得ない」と訴えた。 国側は、メールはその都度廃棄をしても問題ない「保存期間1年未満」の文書で、開示請求の対象にはならないと反論。また文書作成の義務があるのは「政策立案や事業の実施方針に影響を及ぼす場合」だけで、面談記録がなくても不自然ではないとして、請求を退けるよう求めていた。こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月5日 (木)李在明氏、韓国大統領に就任出生数、初めて70万人割れ朝食抜くとおなかぽっこり?6月4日 (水)長嶋茂雄さん死去 89歳ロシア、事実上の降伏を要求台風1号、まだ発生なし6月3日 (火)内閣不信任案なら解散検討元横綱白鵬が退職届閉山した金鉱山 外資が狙う6月2日 (月)懲役・禁錮が廃止、拘禁刑に赤字の国内線 路線維持へ議論クマ 道を避けている可能性トップニューストップページへアベノマスクの契約過程、不開示決定を取り消し 400億円投入13:28急成長のAI企業、売り上げ7割水増しか 決算粉飾の疑いで強制調査5:00郵便トラック許可取り消し、処分方針を通知 不適切点呼問題で国交省10:01AIわいせつ画印刷の抱き枕カバーを転売した疑い 男を書類送検12:39トランプ氏、ハーバード大の留学生「入国認めず」 新たな措置で圧力12:31自動運転バスが結ぶ酪農の町、人口減乗り越えるカギは「小さな活動」13:00