「アントキノヒノキ」枝葉で除菌消臭ミスト 商品化、先人への思い

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毎日新聞 2025/7/6 09:15(最終更新 7/6 09:15) 1305文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷ヒノキ林を背景に「ANTOKINO HINOKI」を持つ武田惇奨(しゅんすけ)さん。「森の代理店」を自負する=愛媛県内子町で2025年7月1日、松倉展人撮影写真一覧 通常は伐採後、山林に放置されるヒノキの枝葉。それを捨てず、香り成分を抽出した除菌消臭ミストを愛媛県内子町の「武田林業」が商品にした。その名も「ANTOKINO HINOKI(アントキノヒノキ)」。武田惇奨(しゅんすけ)社長(37)は「木を切らない林業会社」をうたい、「林業×広告・コンサル」「林業×ものづくり」「林業×教育」など、森が入り口となる新ビジネスづくりを掲げる。「アントキノ」にかける思いとは。 「アントキノヒノキ」は150ミリリットル入り1980円(税込み)。2018年に製品化した。四国山地に囲まれた内子町内の林業現場からヒノキの枝葉を回収し、粉砕後に釜で蒸す。さらに蒸留して製造したヒノキ精油をベースに、6種類の精油とブレンドし、「林業現場に近いさわやかな森林の香り」をボトルに詰め込んでいる。ヒノキの除菌、消臭効果を前面に打ち出し、22年には愛媛県が優良リサイクル製品に認定。「使うだけで森林浴が味わえる」とネット通販や地場産品のセレクトショップなどで好評を呼び、22年以降は前年比2割増の売り上げが続くという。Advertisementドローンを使ったプログラミング教室。会社は森林を入り口にした地域のICT教育にも力を注ぐ=武田林業提供写真一覧 武田さんは松山市出身。祖父晴年(はるとし)さん(12年に86歳で死去)は内子町に隣接する旧広田村(現・砥部町南部)でヒノキ林業を営み、どの面にも節のない優良なヒノキは幼児期から身近な存在だった。九州大大学院で芸術工学を学び、外資系広告代理店の福岡県の拠点で営業とイベントづくりのノウハウを5年間積み重ねたが、「林業をしたい気持ちは高校時代からずっと持ち続けていた」という。代理店勤務時代、内子町が「林業の6次産業化」の担い手に特化した地域おこし協力隊員を募集していることを知った。「絶好の機会」と応募し、17年4月から3年間、協力隊員を務めた。併せて同月に「武田林業」を設立。隊員が起業する際の町の支援補助金を受けた。 会社の事業内容は広告・イベント業務▽内装設計▽森林関連製品の製造▽森林・ICT(情報通信技術)教育支援。林業という1次産業に、加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)の先端要素を掛け合わせ、これまでにない価値を生む「6次産業」に育てようというのが隊員、さらに起業家としての任務となった。 児童・生徒を対象にした木育(木の教育)にプログラミングを掛け合わせた教育事業は、民営塾として現在も続け、会社は町教委のICT支援員を受託している。重機を使って丸太を積み上げる林業学習型アウトドアイベントも隊員当時に始め、恒例となっている。伐採後のヒノキの枝葉(手前)「ANTOKINO HINOKI」に生まれ変わる=武田林業提供写真一覧 アントキノヒノキも、林業の今を伝える製品として隊員当時に企画・開発に着手した製品だ。「50年以上も前に先人が丁寧に植林して守ってくれたヒノキ。『あのときのヒノキ』があったからこそ生まれた」と名前の由来を明かす。製品ラベルのイラストにはチェーンソーを手にしたヘルメット姿の祖父と、孫である自身の少年期を描いた。精油の微妙なブレンド割合には地元森林組合員らの意見を取り入れている。 「植えてから数十年後に収益化する林業。『あのときにやったんだ』と、30年後に誇れる仕事を積み重ねたい」という思いを先人らの姿に重ねている。【松倉展人】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>