有料記事二階堂友紀2025年6月1日 5時00分 刑罰から懲役と禁錮をなくし、新設の「拘禁刑」に一本化する改正刑法が1日施行された。刑罰の種類が変わるのは、刑法が1907(明治40)年に制定されて以来初めてで、「懲らしめ」から「立ち直り」へ軸足を移す。受刑者を特性などに応じて24課程に分けて、きめ細かな処遇を行い、更生を後押しする。 拘禁刑は1日以降に起きた事件や事故に適用される。裁判で拘禁刑を言い渡され、有罪が確定した受刑者が入所するのは、今秋以降とみられる。ただ、現在の入所者も24課程に振り分けられ、新たな処遇のメニューを受けるという。 大きな狙いは再犯の防止にある。刑法犯は減少傾向にあるが、検挙者に占める再犯者の割合は、5割近くで高止まりしている。新規受刑者に占める「再入者」率も5割台後半で推移する。刑法犯検挙者数に占める再犯者の割合 2023年の矯正統計年報によると、刑務所などに入所している受刑者は約1万4千人。このうち高齢者の占める割合が、過去最高の14.3%となるなど、画一的な処遇に限界も生じていた。 新設される24の矯正処遇課程は、高齢福祉▽福祉的支援(知的・発達障害)▽同(精神障害)▽依存症回復など。その他の受刑者についても、年齢や刑期の長さに加え、再犯リスクと更生への意欲で分類し、個々に合った処遇をめざす。 これらの課程とは別に、農業やものづくりなどの特別コースも設け、円滑な社会復帰を促す。 改正前の刑法は、懲役につい…この記事を書いた人二階堂友紀東京社会部専門・関心分野人権 性や家族のあり方の多様性 政治と社会こんな特集も注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ6月1日 (日)イベント前倒し相次ぐ なぜコメ民間輸入、過去最大子ども見守り用GPS、悪用か5月31日 (土)水産物の中国向け輸出再開へ選択的別姓、法案が審議入り名なしのチョウ化石 実は新種5月30日 (金)トランプ関税に差し止め命令中国人学生ビザ「取り消す」NTTドコモ、銀行業参入5月29日 (木)捜査の違法性、再び認定スポットワーク 働き手保護へ学生ビザの面接を一時停止トップニューストップページへ米国防長官、中国を警戒 日本に防衛費増求める 書面インタビュー2:12USスチールに「史上最大の投資」 誇るトランプ氏、なお合意至らず20:30児童福祉施設で職員切りつけられ死亡 殺人未遂容疑で女を逮捕23:54「2160円、備蓄米」すぐに完売、行列、徹夜組も 倉庫業者は悲鳴18:00数学「ABC予想」は証明されたか 論文受理から5年、論争は迷宮へ9:00「あの男の妻として死にたくない」増える老年離婚 積年の恨み限界に18:00