毎日新聞 2025/6/1 08:30(最終更新 6/1 08:30) 有料記事 2211文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷「三四郎には、故郷にお光(みつ)さんという気になる女性もいて、2人の行方も気になります」と吉川仁子さん=奈良市の奈良女子大で2025年2月20日午後0時56分、三角真理撮影 夏目漱石の「三四郎」は、大学に入ったばかりの三四郎を描く。青春小説のようだが、それだけではない。漱石研究者で、奈良女子大准教授の吉川仁子さん(57)は「人生について考えさせられる作品」と話す。【三角真理】 大学入学のため熊本から上京した三四郎がいろいろな人に出会い、恋もし、失恋もする――というストーリー。 「若者の世界を描いた明るい小説。でも作品には『陰』も与えられており、そこが味わい深い」と吉川さん。「ただし、三四郎自身はその『陰』に気付いていない」とも。 「陰」とは何か。「生の隣にある死」と吉川さんは言う。三四郎は上京するなり、列車の人身事故に出くわす。その後も火事を目撃したり、子どもの葬式とすれ違ったりする。三四郎はその都度「大変だ」と思うようだが、命や死について考えることはない。先輩が就職先の苦労話をしていても、どこか人ごと。「自分にも将来起きるだろうことなのに、若さ故に自分のこととしてとらえられない」(吉川さん)。少々のんきな性格も関係していそう。 読みどころは「恋の駆け引きで右往左往するところ」。三四郎は美禰子(みねこ)に一目ぼれしてぞっこん。しかし美禰子にはすでに野々宮という意中の人がいて、野々宮も美禰子に好意を寄せている。三四郎はそこに入り込んだ存在なのに、鈍感でうぬぼれたところもあるから自分の位置が分かっていない。美禰子が自分の前で花を落としたり、すれ違った後に振り返ってくれたりすると舞い上がる。美禰子も美禰子で、…この記事は有料記事です。残り1584文字(全文2211文字)あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>