宇田川恵速報毎日新聞 2025/5/30 12:12(最終更新 5/30 12:12) 有料記事 1856文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷価格の高騰が続くコメ=東京都江東区で2025年5月23日、滝川大貴撮影 なぜコメは高騰しているのか。昨年の夏から1年近く取材をしてきて、本当の答えが分かった気がする。 「コメを買ったことはありません。まさに売るほどあります」。農相だった江藤拓氏が5月半ば、大勢の人を前に平然と言い放った言葉だ。 育ち盛りの息子に「おかわり」をさせられないとうつむく母親。5キロ入りのコメを買えず、2キロ入りでしのごうとするお年寄り。学生におなかいっぱい食べさせたいがこれ以上は提供できない、と涙ぐむ食堂経営者……。 こうした一人一人の苦しみを、コメ行政のトップが我がこととして切実に感じていなかった。これこそが異常な米価が放置された本質的な原因だと言えよう。後手の農水省、価格下げたくなかった? そもそも米騒動が起きた昨夏に備蓄米を十分放出していたら、こんな事態にはならなかった、と見る専門家は多い。コメの需給が安定していれば、切迫感から来る混乱は生じなかったはずだからだ。 しかし農水省は備蓄米を出し渋った。ようやく放出したのは、米価が前年の2倍近くにはね上がった今年3月に入ってからだ。それも、石破茂首相の意向を受けた官邸側が圧力をかけたためとされる。 渋々出した備蓄米にさえ、農水省はさまざまな条件をつけた。コメの流通は通常、農家から集荷業者、卸売業者、小売店などを経て、消費者に届く。初めから小売店に出せば時間もコストも省けるのに、わざわざ集荷業者である全国農業協同組合連合会(JA全農)に9割超を渡した。 その結果起きたのは、いつまでたっても備蓄米が出回らない現状だ。3月初旬から放出された計2回の備蓄米のうち、4月末までに小売店に届いたのはわずか1割程度。人手不足などが原因というが、このITの時代、世界有数の先進国で起きている現象だとは信じられない。 結局、江藤氏率いる農水省は、本気で流通量を増やし米価を下げるつもりなどなかったのだろう。無策というより意図的な失策と言える。 江藤氏の後任となった小泉進次郎農相に求めたいのは、消費者に向き合ってきたとは言いがたい、これまでの農林行政からの決別だ。その意味で、備蓄米を小売店に売り渡す決断は評価したい。 一方、売り渡し方法を一般競争入札から随意契約に切り替え、今の平均価格の半値に当たる「5キロ2000円程度」で店頭販売したいという。その安値効果で全体の米価を抑えたい考えのようだが、これには疑問を感じる。 コメ政策に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁・研究主幹は言う。「備蓄米の量は限られており、たとえ店頭で5キロ2000円で売っても、たまたま運の良い人が安く買えたというだけの話だ。米価は需要と供給によって決まる。供給量全体が増えない限り、コメ全体の価格水準は下がらない」 本気で米価を下げるなら方法は一つだ、とも言う。…この記事は有料記事です。残り700文字(全文1856文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>