毎日新聞 2025/6/8 06:30(最終更新 6/8 06:30) 有料記事 2916文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷開館記念展で展示中のアンディ・ウォーホル「ブリロの箱」(手前、1968/90年)=鳥取県倉吉市の県立美術館で2025年4月22日午後3時4分、上村里花撮影 あの3億の「箱」を見た人はどんな感想を抱いたのだろう――。 人口53万人の鳥取県に3月、県立美術館がオープンした。都道府県立としては最後発の美術館。高額購入費で物議を醸した、米ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの「ブリロの箱」も開館記念展で公開されている。保有の是非について来館者にアンケートを実施中だ。 財政難の時代、人口最少県に新たな美術館をつくる意味とは。「ブリロの箱」の行く末は。 尾崎信一郎館長に聞くと、混迷する現代社会で美術館の果たす役割が浮かび上がってきた。ブリロならぬ「モリロ・ボックス」? 鳥取駅から特急とバスを乗り継いでおよそ40分。県中央部の倉吉市に位置する3階建ての美術館は、元は市営ラグビー場だった広大な敷地に建つ。 4月下旬に記者が訪れると、ガラス張りで光が降り注ぐ入り口にカラフルな箱が山積みされているのが目に飛び込んできた。 展示室に入っていないのに、もう「ブリロの箱」?と思いきや、書かれた文字をよく見ると「Morillo」。現代美術家・森村泰昌さんがウォーホルらになりきる自身の映画作品のために制作した「モリロ・ボックス」(2016年)だ。元ネタはもちろん「ブリロの箱」。 遊び心あふれる空間の演出だ。尾崎さんは「ブリロの箱と間違えて、『いつの間にこんなにたくさん買ったのか』と聞く人もいるんですよ」と語る。「作品の意味が分からない」 開館の経緯を振り返る。 鳥取県にはこれまで県立博物館(鳥取市)があるのみで県立美術館はなかった。新設の構想自体は1990年代に浮上したが、途中で凍結されるなど紆余(うよ)曲折を経て、2018年に基本計画を策定。博物館の美術部門が独立する形で開館にこぎつけた。 全国的な話題になったのが、目玉コレクションとして県が22年に約3億円で購入した「ブリロの箱」5点だ。洗剤付きたわしのパッケージを模した木箱の作品で、報道されると「税金の無駄遣い」「作品の意味が分からない」と批判する声が殺到し、県は説明会を開くなどして理解を求めてきた。 尾崎さんは06年から鳥取県立博物館に勤務し、21年には同館長に就任。美術館開設に準備段階から深く携わってきた。自由な場としての意義 そもそも都道府県立美術館が建設されたのは80~90年代がピーク。今、公立美術館を新設する意味はどこにあるのか。 尾崎さんが挙げるキーワードは…この記事は有料記事です。残り1926文字(全文2916文字)あわせて読みたいAdvertisementこの記事の筆者すべて見る現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>