2025.06.08乗りものニュース編集部tags: メカ, 技術, 空港, 航空機, 飛行機2025年夏、北九州空港を拠点に飛ぶ予定。航空会社CEOなどを載せ、無事JFK空港に着陸 アメリカで電動垂直離着陸機(eVTOL)の開発製造を手がけるBETAテクノロジーズは2025年6月3日、独自開発した電気飛行機「ALIA CTOL」が、乗客を乗せた初のデモ飛行に成功したと発表しました。拡大画像ニューヨーク上空を飛ぶ「ALIA VTOL」。このたび人員輸送に成功したのは別のCTOL型(画像:BETA Technologies)。 フライトはパイロット1名のほかに、米本土インディアナ州に本社を置く地域航空会社リパブリック航空のマット・コスカル社長、北米などで航空輸送サービスを手掛けるブレード・エア・モビリティのロブ・ヴィーゼンタールCEO(最高経営責任者)など4名を載せ、45分間でジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)に無事着陸したといいます。 今回の飛行成功に関して、BETAテクノロジーズの創設者であるカイル・クラークCEOは「世界で最も忙しい空港の1つ(であるジョン・F・ケネディ国際空港)に、客を乗せて電気飛行機を飛ばしたことは、高度なエアモビリティが未来の概念ではなく、すでに目の前にあることの証左です。また今回のフライトは、技術の実証以上の成果を含んでいます。それは、イノベーションと、より安全で、より静かで、より効率的な方法で都市間がつながるということです。ニューヨーク市および港湾局とともに、この飛行機が渋滞を緩和し、二酸化炭素の排出量を削減するなどして都市インフラにどのように貢献できるか、正確に示すことができたことを誇りに思っています」と述べています。 なお、BETAテクノロジーズによると、「ALIA CTOL」はFAA(アメリカ連邦航空局)から市場調査証明書を取得した最初のAAM(Advanced air mobility:次世代空モビリティ)であり、商業運航のための完全なFAA認証を取得する前に特定の安全基準のもと、デモ飛行を行うことができたとしています。 今回使われた「ALIA CTOL」は、電動モーター1基搭載する通常離着陸型の電気飛行機で、乗員6名(操縦士1+乗客5)、貨物容量200立方フィート、最大速度153ノット(283km/h)、航続距離336海里(約620km)という性能です。 日本でも、同機を用いた実証飛行を物流大手のヤマトホールディングスや北九州市などが計画しており、2025年夏から北九州空港と宮﨑空港のあいだで貨物輸送に向けた検証を行う計画を立てています。【キャビン意外と広い?】これがALIAの大人4人乗っても余裕の機内です(写真)