日本固有種「甲州」の香り引き出せ 新旧ワイナリーが競う北限の産地

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毎日新聞 2025/6/10 13:30(最終更新 6/10 13:30) 1120文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷国際的なコンクールでの受賞を喜び記念撮影するエルサンワイナリー松ケ岡の早坂剛社長(左から2人目)ら=山形県鶴岡市で2025年5月30日午後2時31分、長南里香撮影 ワイン用品種のブドウとして、世界最高峰の品評会で評価を高める日本固有種「甲州」。その北限の産地で知られる山形県鶴岡市でフルーティーな香りを引き出そうと、新旧のワイナリーが競い合っている。ワインボトルに込めるのは、希少な風土で270年続くとされる歴史と産地を守る生産者への思いだ。 同市の母狩(ほかり)山(標高751メートル)のふもとに、ブドウ農家約30軒が集まる西荒屋(にしあらや)地区。平地ながら寒暖差がある土地柄から、ワインの品質を左右する糖度が高めに出る希少なエリアで知られる。栽培が始まったのは江戸時代とされ、苗木を持ち込んだ庄内藩士が「武道(ブドウ)が下がる」に通じると思い直し、農家に譲り渡したという逸話が残る。Advertisement 大手ワイナリーが2005年に公表した甲州ワインの香気成分に関する研究で、香りの基となる「3MH」という成分の存在を明らかにした。それ以来、甲州の認知度が急上昇。近年は西荒屋にも県外の業者が買い付けに訪れるようになった。 そんな香気成分を巡っては、庄内藩士ゆかりの同市羽黒町の地域で20年に醸造をスタートした「エルサンワイナリー松ケ岡」が今年5月30日に記者会見を開催した。同社の「ピノ・コッリーナ鶴岡甲州2023」(750ミリリットル入り、3850円)を同市の慶応大先端生命科学研究所が分析した結果、国内の主要産地のワインを大きく上回る量の「3MH」が含まれていたと発表した。樹齢60年を超えるブドウの古木の生育状況を確認する阿部豊和さん=山形県鶴岡市で2025年6月3日午前10時2分、長南里香撮影 早坂剛社長は、同ワインが英ロンドンで今年4月に開かれた世界最大規模のワインコンクール「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」で、「ピーチのような繊細な香り」と認められ、金賞を受賞したことを紹介。創業以来続く慶大先端研との連携の成果だと強調し、「栽培と醸造の努力と科学的裏付けがマッチした」と喜びを語った。 一方で、03年に醸造を始め、これまで「ソレイユ・ルバン甲州シュール・リー」(750ミリリットル入り、2310円)など2商品を生み出した同市の月山ワイン山ぶどう研究所の阿部豊和さん(48)は、「パッションフルーツを思わせる香り。県外の主要産地のグレープフルーツのような香りとも違うように感じます」と話す。 香りを引き出そうと酵母や醸造方法などの研究を重ね、世界的権威である仏ボルドー大学の研究者が訪れた際に「君のところの香りは違うね」と評価されたという。 西荒屋地区では現在、花が咲く前のブドウの房を整える「房作り」が最盛期を迎えている。阿部さんは「何百年も続けて農地を守ってきた生産者の努力が日の目を見るように、若手を育成しながらワインを作り続けていく」と意気込む。今秋には新たな銘柄を商品化する予定だ。【長南里香】あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>