毎日新聞 2025/7/11 20:58(最終更新 7/11 20:58) 1400文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷スクリーンに映し出された亡き子どもたちの前で命の大切さを伝える大上かおりさん=福岡市東区の博多高で2025年7月11日午後2時26分、矢頭智剛撮影 福岡市東区の「海の中道大橋」で2006年8月、飲酒運転の車に追突された乗用車が海に転落した事故で、幼い我が子3人を亡くした大上かおりさん(48)が11日、飲酒運転の悲惨さを伝えるため、同区内の私立博多高校で初めて講演した。生徒ら計約1200人を前に、19年前の「あの日」に起きたことを振り返り、「尊い命は絶対に奪われてはいけない。飲酒運転をしないことを選べる大人になってほしい」と語りかけた。 事故は06年8月25日夜に発生。大上さんら家族5人が乗った乗用車が、飲酒運転の車に追突され、橋から博多湾に転落した。長男・紘彬(ひろあき)ちゃん(当時4歳)、次男・倫彬(ともあき)ちゃん(同3歳)、長女・紗彬(さあや)ちゃん(同1歳)の3人が水死し、大上さんと夫の哲央さん(52)も負傷した。Advertisement 大上さんは、会場のスクリーンに亡くなった3児の写真を映し出し「宝物の3人。毎日がとっても幸せでした」と事故前の日々を振り返った。そして、その幸せが一瞬で奪われた「あの日」のことを語り始めた。 「海の中道大橋にさしかかったとき、『どーん』と後ろから車が追突してきました。橋を走っていたはずなのに、次の瞬間、車の中に一気に水が入ってきました」。車が海に転落した後、大上さんと哲央さんは自力で海上に浮上したが、後部座席にいた3児は車内に取り残された。大上さんは海中に潜って倫彬ちゃんと紗彬ちゃんを救出し、哲央さんに託した。だが、何度潜っても紘彬ちゃんは見つからず、車は海中深くに沈んだ。救出した2児も、その後、息を引き取った。 「3人の子供が受けた苦しみ、恐怖がどれほどのものだったか想像できますか」。そう生徒たちに投げかけた大上さん。事故後は深い悲しみの中で「どうして助かっちゃったのか。罪悪感でいっぱい」だったという。最後に、これからハンドルを握る生徒たちに強く呼びかけた。「たった一つのかけがえのない命がつながって、今、みんながここにいます。でも、飲酒運転によって失われている命がいまだにある。飲酒運転は自分が選んで犯している犯罪なんです。尊い命、生きていく喜びや希望が、奪われてはいけません」 講演を聞いた博多高3年の牛嶋ちひろさん(18)は「幼い命が大人の身勝手な行動で犠牲になったことに憤りを感じた。なぜ子供でも守れるようなルールを大人は破るのか。飲酒運転を絶対にしない大人になろうと強く感じた」と話した。 講演後に報道陣の取材に応じた大上さんは「事故を思い出すと、何日も寝られなくなる。でも、この悲しみと生きていくと決めた。生徒たちに伝わることがあるなら、この苦しみも生かされるのかなと思う」と話した。【金将来、栗栖由喜】福岡市の3児死亡事故 福岡市東区の人工島にかかる「海の中道大橋」で2006年8月25日夜、当時22歳で福岡市職員だった男性(40)=懲戒免職=運転の車が乗用車に追突。乗用車は橋から約15メートル下の博多湾に転落し、乗っていた家族5人のうち、1~4歳のきょうだい3人が水死。両親も負傷した。飲酒運転だった男性は危険運転致死傷罪などで起訴され、08年1月の1審・福岡地裁判決は業務上過失致死傷罪などで懲役7年6月を言い渡した。一方、09年5月の2審・福岡高裁判決は危険運転致死傷罪の成立を認めて懲役20年を言い渡し、11年に確定した。この事故をきっかけに飲酒運転の厳罰化が進んだ。あわせて読みたいAdvertisement現在昨日SNSスポニチのアクセスランキング現在昨日1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>