フグの刺し身(てっさ)を盛り付ける料理人=愛知県南知多町の日間賀島で2026年10月1日午後1時6分、酒井志帆撮影写真一覧 愛知県南知多町の離島、日間賀(ひまか)島。海水浴や釣り目的の観光客が多く、冬は閑散としており、旅館組合などは味覚による誘客を図ってきた。取り組みから30年、その効果が出ている。猛暑で海水浴客は減少したが… 日間賀島は県内三つの有人離島のうち名古屋から最も近い島だ。高速船の乗降口付近では名物、タコのモニュメントが出迎え、島の産業を観光と漁業が支える。新型コロナウイルス禍前、観光客は年間20万人超に上ったが、近年は猛暑の影響で海水浴客が減少するなどし、昨年は12万人にとどまった。Advertisementタコのモニュメント前で写真を撮る観光客=愛知県南知多町の日間賀島で2026年10月1日午後2時9分、酒井志帆撮影写真一覧 島にはタコのほかにも、秋から冬にかけて客を呼び込む特産品「フグ」がある。県内のフグ類の漁獲量は全国4位(2024年)で、今月1日から漁が解禁となった南知多町も有数の漁獲量を誇る。 名古屋鉄道は1996年、乗車券と名鉄海上観光船の乗船券、フグ料理がセットになった「ふぐづくしプラン」の販売を始めた。 当時、フグを食べる文化が中京圏になく、大阪や下関へ出荷され、調理できる料理人も島に数人しかいなかった。フグ調理に必要な資格を20代で取得した日間賀島旅館組合長の斎藤貴茂さん(53)は「最初は半信半疑だったが、客が増えるにつれ、うちも始めようと島全体で取り組みだした」と振り返る。高速船への乗り換え駅に設置された30周年記念のウエルカムボード=愛知県美浜町の名古屋鉄道河和駅で2026年10月1日午後2時49分、酒井志帆撮影写真一覧島内約50施設で提供 講習会を開くなど組合員が一体で取り組んだ結果、今では島内約50の宿泊施設でフグ料理が楽しめるようになった。名鉄も乗車券のフリー切符化や料理の種類を充実させ、早得・食べ納めなど多様なプランを提供。販売を始めた頃の集客は2500人ほどだったが、24年には1万5000人に成長した。 名鉄は販売30年となる今シーズン、特別料理や旅行商品が当たる企画などを用意。日帰りで大人1万3800円、宿泊は2万2500円(2名1室)からのふぐづくしプランなどを提供する。 日間賀島は稚魚の放流や魚礁の設置などでフグの漁獲量を増やし、「多幸(タコ)と福(フグ)の島」としてPRに努める。現状は東海地方の観光客がメインで、斎藤組合長は「関東、関西など遠方からも来てもらえたら」と、集客増に向けて意気込んでいる。【酒井志帆】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事