講演する山形大農学部の五領田小百合助教=山形県鶴岡市で2026年10月16日午前11時17分、長南里香撮影 「食欲の秋」が深まる中、山形県鶴岡市の市総合保健福祉センターで16日、高血圧予防について山形大農学部の研究者が講演した。野菜や果物などに含まれるカリウムが、高血圧の原因となる余分な塩分(ナトリウム)を排出する「排塩」効果を解説。「食べちゃった塩分追い出そう」と、農産物の摂取と「減塩」との二段構えで習慣付けるポイントを紹介した。 講師を務めたのは五領田小百合助教(予防医学)。国立研究開発法人などで公衆衛生学を研究し、2021年から同大に着任。鶴岡特産の「だだちゃ豆」が高血圧予防に効果があることを臨床研究から解明し、国際学術誌に論文が掲載された。Advertisement ラーメン消費量日本一で、全域に名店がひしめく山形。五領田助教は「高血圧患者数は全国でもワーストクラス」と指摘し、「(予防効果の)伸びしろがある場所。みんなでやっていけば、みんな助かる」と呼びかけ、会場を沸かせた。 五領田助教は「しょうゆを小さじ1(5ミリリットル)減らし、サトイモの煮っころがしを2個食べる」などと食事を例に挙げ、ナトリウムを減らしてカリウムを増やすよう意識していけば、効果が出やすくなると説明した。 カリウムは水に流れ出てしまう性質があることから、レンジなどで蒸す調理法が最適で、「ゆでてしょうゆをかけるホウレンソウのおひたしなどは真逆の効果になる落とし穴」と注意点も紹介した。 国立研究開発法人の試算によると、減塩による医療費の抑制効果は将来的に少なくとも年間265億円規模と推定しているとして、「医療費が削れ、地域のお金が守られて生活が楽になる」とも指摘。高血圧は症状がなく放置されがちだが、脳卒中や心不全などの死に至る病にずるずる引き込んでいく「サイレントキラー(静かなる殺し屋)」と強調し、「取り組まない理由なんてない。地域の農産物を食べて元気になろう」と呼びかけた。【長南里香】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。