緊迫する中東情勢:米軍撤収後のイラク「力の空白」にイランの影 IS復活にも懸念

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イラクの首都バグダッドで、米軍撤収を祝うイスラム教シーア派民兵組織の支持者ら=2026年9月30日、ロイター 米軍が9月末、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討のために2014年から続けてきたイラク駐留に終止符を打った。4月には隣国シリアからも撤収しており、対IS戦は名実ともに一区切りとなった。 ただ、イラクでは11年に米軍が一度撤収した後、治安が混乱してISの台頭を招いた経緯がある。イランとの緊張が続く中、イラクで親イラン勢力の影響力拡大を容認するような動きをとった形にもなり、米軍撤収後の「空白」の行方がイラクの今後を左右しそうだ。「主権回復」も頭痛の種が…… 「新たな段階が始まった。それはイラクの主権と意思決定の一体性、友好国との均衡のとれた協力関係によって方向づけられる」 イラクのザイディ首相は9月30日に首都バグダッドで開かれた式典で、イラクの「主権回復」を強調した。 バグダッドに住む元教師の男性は「外国軍がこれ以上駐留する必要はない。もう戦争には疲れた。望むのは安定だ」と米軍撤収を歓迎した。 国内の安定に向けて、イラク政府には頭痛の種がある。隣国のイスラム教シーア派国家イランの支援を受けるシーア派民兵組織の存在だ。 03年のイラク戦争でフセイン独裁政権が倒れた後、イラクでは駐留米軍、シーア派民兵、後にISを形成するスンニ派の過激派組織、少数民族クルド人勢力といった武装組織が乱立した。 11年に米軍が一度撤収した際には、「空白」をつく形でISの前身組織が勢力を拡大。イラク、シリアにまたがる広大な地域を実効支配し、14年6月にISの「建国」を宣言するに至った。 米軍は撤収から約3年でイラクに戻り、クルド人勢力によるIS掃討を支援。緊張関係にあるイランの支援を受けるシーア派民兵とも「共通の敵」掃討では事実上連携した。 だが、IS掃討後、米軍とシーア派民兵は再び敵対関係になり、散発的な衝突もたびたび起きてきた。今回の米軍撤収後、シーア派民兵の存在感が高まるのは必至で、イラク政府にとっても対応が課題になる。武装解除計画が難題に 「いかなる組織も独断で決定を下し、他国を攻撃することを許さない」 イラクのフセイン外相は10月上旬、米イランの対立が続く中、イランの意をくむ形で…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】ネタニヤフ氏に引導を渡せるか 首相狙うアイゼンコット氏とは関連記事【最新記事】