ジャズピアニスト古里愛さん15歳 母の「子供扱いしない」育児

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2022年にバークリーのサマースクールに参加した際の愛さん(手前)と両親=智子さん提供 東京都町田市出身のジャズピアニスト、古里愛さん(15)は、米国の名門バークリー音楽大学に通う現役学生だ。12歳の時、正規の学生として史上最年少で合格して渡米した。 夢は大きく、米国最高峰の音楽賞「グラミー賞」を20歳までに受賞することだ。 そんな愛さんは、生後数カ月のころから、母でジャズシンガーの智子さん(46)が開いたカフェバーの店内で過ごし、音楽に触れてきたという。 どのように娘は才能を開花させていったのか、智子さんへの取材から探った。  <主な内容> ・YouTubeの演奏動画が330万回以上再生 ・「世界一のピアニストになりたい」 ・転機となった新型コロナ禍 ・小学生にして米国の高校卒業資格に挑戦 ・子ども扱いしない子育てとは?渡米時の即興演奏がバズる 米ニューヨークで、数々の著名アーティストが演奏してきた老舗ジャズクラブ「スモールズ」。黒髪のショートカットの少女が、ジャズピアノの巨匠マッコイ・タイナー(1938~2020年)の代表曲「パッション・ダンス」をピアノで即興演奏している。 サックス奏者のアドリブにも落ち着いた様子で合わせ、ソロの場面では軽快な指さばきを披露する。最後は、客席から大きな拍手と歓声、指笛が飛び交う。 これは2022年の夏、当時10歳だった愛さんがセッションに飛び入り参加した様子を撮影したYouTube動画だ。撮影者は母智子さんで、これまでに330万回以上再生された。 コメント欄には「ただただ素晴らしいの一言」「すごすぎて感激しました」といった声が並ぶ。 もともとは娘のピアノの成長記録を音楽仲間と共有するために作ったアカウントだったが、数日で一気に1万人近く登録者が増えた。0歳の時から触れた音楽 智子さんが町田市の自宅1階部分にカフェバー「Coffee&Bar Ivy」をオープンしたのは、愛さんが生まれてわずか数カ月後のことだった。時にはベビーバスケットを店内に持ち込み、愛さんを寝かせて過ごした。 店には、グランドピアノや音響機材を常設。智子さんがジャズボーカルを披露したり、地元のミュージシャンたちが即興でセッションやライブをしたりすることもある。 レコード会社で働く夫がロックミュージシャンだったこともあり、当初からジャンルを超えて音楽好きが集まる場となってきた。習い始めたきっかけは“憧れ” 愛さんは、1歳のころには椅子に座って電子ピアノを触っていた。 「音大生だと思うんですけれど、若い女性のお客さんが店でピアノを弾くのを見て、すごく美しくて、かっこいいと思ったそうなんです」と智子さん。 ピアノを習い始めたのは3歳の時だ。店の常連客だったピアノ講師の蜷川和哉さんが、独立してピアノ教室を開くと聞き、本人の希望で習い始めた。「世界一になりたい」 週1回、幼稚園から帰宅後に30分ほどピアノ教室に通った。 3、4歳になると、店の客の前でクラシック練習教本からバイエルやブルグミュラーの曲を演奏するようになった。 「子どもが弾くと、みんなすごく褒めてくれるから、それがうれしかったのだと思います。負けず嫌いで、うまく弾けなくて、すごく暗い顔をして泣きながら、引っ込むこともありました。でも、人前で弾く場数を踏み、舞台度胸がついたのだと思います」 世界一のピアニストになりたい――。 早くも4、5歳のころには、そんな思いを口にし始めていた。 練習熱心で、智子さんが店に出ている…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事