「万世一系」の始祖は? 継体天皇の謎を藻谷浩介さんが読み比べ

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藻谷浩介氏 皇室典範の改正に際し、皇位継承のあり方についてさまざまな意見が交わされた。その中で今、注目されているのが、傍系からの皇位継承の代表例である継体天皇だ。 日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介さんに、継体天皇へスポットライトを当てた新刊2冊について、次の書評を寄せてもらった。彼以前と以後…万世一系の史料考察 6世紀初頭に即位した継体天皇。大和ではなく近江の出身ながら、彼の11代前の応神天皇から5世下った子孫だったというのは本当か。その実像に関し、今年相次いで、新書が刊行された。ここでは『増補決定版 謎の大王継体天皇』(水谷千秋・著、文春新書・1320円)を(1)、『継体天皇』(河内春人・著、中公新書・1100円)を(2)としたい。 (1)の大部分は、25年前に刊行された新書の再録だ。刊行当時39歳の独立研究者として、20年近く継体天皇を研究し続けていた著者の分析は、網羅的にして緻密、事実に謙虚に向き合って説得的だ。 対して(2)は、その後に学界に吹き込んだ新風を孕(はら)んでいる。最大の違いは、考古学的知見も踏まえた、日本書紀の評価だ。(2)はあとがきで書紀を、「七世紀はある程度史実に沿った記述だ」が、継体天皇が在位した6世紀になると「それすら危うく」、継体登場前の「五世紀以前は史実としてはほぼ信用できない」と断ずる。 同じく(2)は、継体以前のヤマト政権は、前方後円墳を「政治的象徴物」とした、各地の豪族集団の連合体だったとする。評者も常々「戦国大名の〇〇守(かみ)といった称号が、朝廷や幕府による実力支配を意味しないように、古墳の形式の共有が中央への服属の証だという理屈は…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事