性売買を経験した女性を支援する自立支援センターの作業場=韓国中部・大田市で2026年9月23日午前11時51分、日下部元美撮影 2004年に性売買における「買う側」に罰則規定を設け、厳しく取り締まる韓国。厳罰化と同時に、性売買をした女性の被害回復や自立を支援する法律も施行された。国を挙げて女性の社会復帰を支援するが、女性たちの声に耳を傾けると、制度の課題が見えてきた。 中部・大田市の社団法人「女性人権ティウム」が運営する自立支援センターの作業場にはミシンが並び、別室には性売買に関わったことのある女性たちが手がけたバッグなどが展示されていた。 08年の開設以降、約520人が利用したという。「皆で一緒にご飯を食べるのも大切なことなのです」。センター長のチェ・ミョンスン氏がほほえむ。全国90カ所で支援 性平等家族省によると、26年1月時点で、自立支援センターに加え、相談所や成人向けシェルターなども含めた拠点は、全国で計90カ所に上る。 女性たちは3~4年かけて生活や就労の基盤を整える。センターで作業や訓練に参加すれば、月に最大約150万ウォン(約17万円)が支給される。資格取得のための受講料や医療費なども、年に1000万ウォンまで支援される。センターの職員らが、奨学金や将来の就職につながるインターン先なども一緒に探し、履歴書に書ける経歴を一つずつ、増やしていくという。 センターと連携し女性を支援する相談所「ヌティナム」の孫静婀(ソンジョンア)所長は、センターを社会に出る前の「インキュベーター(ふ化装置)」と表現する。「長く不規則な生活を送ってきた女性にとっては、規則正しく作業場へ通うこと自体が自立への一歩になります」と語る。 「性売買をしなくても生きていける、別の選択肢があると、ここに来て初めて知りました」。元利用者のムムさん(28)=仮名=も、センターで性売買と決別し、新たな人…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】ソウル最後の売春街、解体進む裏で起こる「地下化」関連記事