読む政治:少数与党の参院「野党の餌食」か 自民実力者は「一切手を引く」

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特別国会が事実上閉会し、参院の自民党控室で笑顔を見せる高市早苗首相(右)。中央は松山政司参院議員会長、左は石井準一参院幹事長=国会内で2026年7月25日午前0時、中川祐一撮影 東京・永田町の首相官邸。主である高市早苗首相が日々の執務に当たる首相執務室はこの5階にある。関係者によると、執務室にはある一冊の本が置かれているという。 「参議院とは何か」 政策研究大学院大教授の竹中治堅氏が執筆し2010年に出版されたこの本は、戦後に発足した参院がいかに日本の政治状況に影響を及ぼしてきたのか、参院の影響力などを分析したものだ。「参院とは何か」という問いは、高市政権にとってもその動向を左右するものになっている。突然の交代劇 「あなたを再任することはありませんから」 9月15日、自民党本部の一室。松山政司参院議員会長は参院幹事長だった石井準一氏と1対1で面会し、党役員人事で交代させる意向を伝えた。 会談後、石井氏は周辺にぶぜんとした表情で「何もない」と答えたが、関係者によると側近らへ不満をぶちまけたという。この交代劇は、参院への影響力を確保したい首相の意向だとの見方が広がった。 首相にとって、政権運営において悩みの種となるのが参院の動向だ。 25年10月の発足時には衆参ともに少数与党だった高市政権だが、首相は26年1月、通常国会冒頭で異例となる衆院解散・総選挙を断行。初めて自民単独で3分の2超の議席を占める大勝を収めた。 一方、25年7月の参院選で惨敗した参院は連立を組む日本維新の会と合わせても半数に満たない少数与党の状況が続く。衆院では圧倒的多数を得た首相にとって、参院の苦境は本来手にすべき権力とのギャップを映していると言える。 首相と参院側の認識のズレが表面化したのが、衆院選後に開かれた特別国会での26年度予算案の審議だ。 衆院で自民は「数の力」を背景に、野党との合意のないまま予算委員長の職権による委員会開催を繰り返し、通常約1カ月かかる審議を2週間程度に短縮することに成功した。首相は、参院でも同様に審議を加速化し、25年度内となる3月末までに予算を成立させるようこだわった。予算審議日程巡り広がった溝 首相に待ったをかけた形になったのが石井氏だった。 石井氏は「ハマコー」と呼ばれた浜田幸一元衆院議員の秘書や千葉県議を務めた後に国政入りし、政府の役職は受けない「党人派」として知られる。 与野党に持つ太いパイプを背景に交渉力を発揮し、時には野党への配慮も示しながら、先々までの国会での審議日程を「カレンダー」として描けることが強みとされた。 石井氏のカレンダー…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】傀儡?適材適所?名指しで批判されたのは…高市人事、有権者の声関連記事【最新記事】