広がる障害者雇用ビジネス 規制強化で問われる「質」に事業者は

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屋内農園型の施設で仕事をする誠さん(右、仮名)ら=横浜市で2026年7月3日午前11時49分、寺原多恵子撮影 障害者雇用は、7月に民間企業の法定雇用率が2・5%から2・7%に引き上げられた。企業による障害者雇用が進む一方、雇用率達成に向けた「障害者雇用ビジネス」事業者の利用も広がっている。 ただ、雇用の「質」の観点から課題が指摘されており、国は規制強化に乗り出そうとしている。障害者雇用ビジネスのあり方をどう考えればいいのか。社外の農園で働く障害者 横浜市内のビルのワンフロア。室内ではハーブや野菜が水耕栽培されている。 「最初はなかなか育たなかったけど、ここまで元気に育った」。知的障害がある20代の誠さん(仮名)は笑顔で話す。 ここは、企業の障害者雇用を支援する「スタートライン」が運営する農園型施設だ。 12社が利用し、企業ごとに区切られたブースで、障害者3人と管理者1人が働く。障害者や管理者は利用企業が直接雇用し、スタートラインは採用や定着を支援して利用料を得る。 誠さんは森永乳業の社員として週5日、この施設で働く。作物は社員食堂やハーブティーに活用され、利用した社員が感想を伝えられる仕組みもある。 森永乳業では、約90人の障害者が各部署などで働いている。同社では、知的障害や精神・発達障害を持つ人に事務業務を担ってもらっていた。 ただ、人によっては業務内容が合わず、離職につながるケースもあったという。「事務作業は臨機応変な対応が求められ、新しい仕事も次々出てくる。それぞれの業務への適性の見極めが難しかった」と担当者は振り返る。 そこで、さまざまな特性を持つ人が働き続けられるよう、業務の幅を広げることを検討。事業とも親和性がある農業が浮かび、2020年からスタートラインを利用する。担当者は「一人一人の特性や気持ちに合った働き方を選べることが重要だ」と話す。利用拡大の一方、問われる雇用の「質」 法定雇用率の段階的な引き上げを背景に、こうした障害者雇用ビジネスの利用は拡大している。厚生労働省によると、把握している事業者数は25年11月時点で46社あり、23年3月から倍増。利用企業数も延べ1081社から1803社へと伸びた。 企業側には、採用活動や業務の切り出し、合理的配慮の実施など検討すべき課題が多く、障害者雇用ビジネスに頼る動きが強まっているとみられる。 一方、利用企業の本業と障害者の業務との… 7月に障害者の法定雇用率が引き上げられました。広がる障害者雇用ビジネスの現状や、雇用率達成だけではない受け入れのあり方に迫りました。 関連記事 増える精神障害者の求職 「適当に」が映す企業のノウハウ不足 「どこまで配慮?」悩む企業の障害者雇用ビジネスとの向き合い方Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【次の記事】増える精神障害者の求職 「適当に」が映す企業のノウハウ不足【前の記事】「国民の戦う意思が抑止力」 在日ルーツの元防大生活動家が語る関連記事