熊本地震で被災地の避難所に設置されたセブン銀行の移動ATM=熊本県宇城市で2026年8月(同行提供) セブン銀行は今年7月に発生した熊本地震の被災地に、発電機を備えた専用のトラックに現金自動受払機(ATM)を搭載した「移動ATM」を派遣した。自治体の要請を受け、震度7を記録した熊本県宇城市で、避難所となった施設の駐車場などに8月13~18日に設置。家屋倒壊や断水で避難生活を余儀なくされた被災者らが、生活や通院に必要となる現金を引き出し、6日間で数十件の利用があった。 移動ATMは2011年の東日本大震災を契機に、被災地の住民に金融サービスを利用してもらう環境を確保しようと始まった取り組み。被災地への派遣は20年の熊本豪雨以来となる。Advertisement 当初は2トントラックに4機のATMを積んで被災地を回っていたが、大型車だと駐車スペースに困ることがあり、14年から現在の1・5トントラックを使用。専用トラックは、荷台の位置にATMが備え付けられたタイプと、操作によりATM自体を地面まで下ろして利用してもらうタイプの計2台ある。 搭載するATMはコンビニエンスストア「セブン―イレブン」にあるものと同じ機種。約700の提携金融機関などとの取引に利用できるほか、音声ガイダンスなど視覚障害者にも配慮した設計になっている。 通常ATMのない場所に設置できるという特性を生かし、野外音楽フェスティバルといったイベントにも派遣される移動ATM。熊本地震の被災地では「助かった」「現金を引き出せて安心した」と喜ばれたといい、セブン銀行の担当者は「災害によっては道路が寸断し現地に行けないといった状況もあるが、被災自治体から要請があれば、今後も派遣を検討したい」と話す。【桐野耕一】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「夢広がっている」 澤田智洋さん、盲重複障害の息子思いひらめき