明智小五郎デビューの舞台「白梅軒」再現へ 乱歩の世界観発信

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名探偵明智小五郎が“デビュー”したカフェ「白梅軒」への改装を計画する町家(奥)と辻孝信さん=三重県名張市新町で2026年10月16日午前11時40分、久木田照子撮影 三重県名張市出身の作家、江戸川乱歩(1894~1965年)が生んだ名探偵・明智小五郎の“デビュー作”の舞台となったカフェを再現したい――。2025年11月に乱歩生家跡の廃病院(同市新町)に「江戸川乱歩生誕地ミュージアム」を開設した市内の喫茶店主、辻孝信さん(66)が新たな構想の実現に向けて始動する。ミュージアム向かいの町家を乱歩ファンが名探偵になりきってくつろぐ空間に生まれ変わらせるためのクラウドファンディング(CF)を19日から始める。【久木田照子】 明智が初めて登場した作品は1925年発表の「D坂の殺人事件」。カフェ「白梅軒」で冷(ひや)しコーヒーを頼んだ明智と私が、向かいの古本屋で起きた殺人事件に気付き、推理を始める--。CFの計画では、現在は空き家の町家を白梅軒として再生させるという。表通り(初瀬街道)に面した部分を大正~昭和レトロに改装し、カウンターなどを設置する。ミュージアムを事件現場に見立ててファンを乱歩の世界にいざなう。Advertisement ミュージアムの建物は、伊勢湾台風で被災し61年までに増改築された旧桝田医院(鉄筋、木造など2階建て)と併設の住宅(昭和初期ごろ、木造2階建て)。敷地にあった乱歩生家の借家は現存しない。 辻さんの曾祖母の実家は同医院の前身で、祖父らも乱歩と縁があった。辻さんは2024年2月ごろに医院の売却を知り、持ち家を手放して取得した。怪奇、幻想といった作品世界に重なる廃病院の雰囲気も「ミュージアムにぴったり」と考えた。雨漏り修繕や改装を目的としたCFには乱歩の親族や著名作家たちも協力し、開館日には駆けつけた。短編「赤い部屋」を再現した江戸川乱歩生誕地ミュージアムの1室。世界観が漂う空間を作っている=三重県名張市新町で2026年10月16日午前11時7分、久木田照子撮影 ミュージアムを中心に、「変化を続ける場所にしたい」と辻さん。21日の乱歩誕生日に合わせて一般社団法人「乱歩と名張」を仲間と設立し、まちづくりに活動を広げる。 CFは「READYFOR」で。11月30日まで。D坂の殺人事件で明智が着た縞(しま)の浴衣や少年探偵団の旗といったオリジナル返礼品など12コースがある。問い合わせは「乱歩と名張」(0595・68・0880)。Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。