人手不足時代でも必要な場所には人を デジタルと人で役割分担

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新型コロナウイルスのワクチン接種予約で、高齢者から希望日時などを聞き取ってタブレットに入力する係員(左)。電話予約はつながりにくく、混乱を引き起こした=福岡県久留米市役所で2021年5月10日午後2時29分、徳野仁子撮影 企業や行政の窓口対応に、デジタルや人工知能(AI)の活用が進む。「人につながらない」「どこに相談すればよいか分からない」という戸惑いは、高齢者に限らない。人口減少による人手不足で、窓口のあり方も変わらざるを得ない。人に相談できる仕組みと、どう両立させていけばよいか。庄司昌彦・武蔵大教授に聞いた。【聞き手・西尾英之】窓口対応減 銀行が成功例   企業や自治体の窓口が減りデジタル化が進む背景を、「高齢者やデジタルを使えない人を切り捨てようとしている」とだけ捉えるべきではない。人口減少と高齢化が進み、働く人そのものが減っている。これからは人をこれまでと同じように配置し、手厚いサービスを続けることが難しくなっていく。 人手不足が深刻化するなか、自治体でも限られた職員で行政サービスを維持することが課題だ。民間企業も同様で、窓口のあり方を変えざるを得ない状況にある。 下の世代に過大な負担をかけないよう、将来に向けてデジタル化を進めている。この流れ自体は否定すべきではないと思う。 デジタル化で窓口対応を減らし成功した例が銀行だ。かつては午後3時までに窓口に行かなければできなかった振り込みや預金の引き出しが、現金自動受払機やインターネット、スマートフォンでできるようになった。窓口は減ったが、利用者は好きな時間、好きな場所で、自分のペースで手続きができるようになった。受払機を使えないという人はほとんどおらず、全体として利便性は高まっている。 ただし、何でもデジタルにすればよいわけではない。人間が得意なのは、多様なニーズへの対応だ。お金を引き出す、住民票を取得する、飛行機に乗る。そうした定型的な手続きはデジタル化しやすい。しかし、複雑な事情を抱えた相談や例外的なケースはそうはいかない。利用者の話を聞き、状況を整理しながら判断する必要がある。そうした場面では、人の役割は今後も大きい。利用者の支援者を支援する発想を 「人をなくすか残すか」という議論ではなく、「人が本当に必要なところに人手を振り向けられるようにすること」が重要だと考える。…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事