裁判Plus 司法のリアル:「検察庁敵視は反社や」 取り調べで「陵虐」東西特捜の非常事態

Wait 5 sec.

生田尚之被告(左)に対する堀木博司検事の取り調べの様子=関係者から入手した映像から(画像の一部を加工しています) 「検察庁を敵視するってことは反社(反社会的勢力)や」 東京地検特捜部の検事が5年前、容疑者に発言した。 「検察なめんなよ」 大阪地検特捜部の検事は7年前、机をたたき声を荒らげた。 取調室の様子はどちらもカメラに収められていた。そして、検事2人は容疑者を陵虐したとして刑事責任を問われることになる。 検察からは反省と戸惑いの声が漏れる。あるべき取り調べとは何なのか。「破滅したいんか」「黙秘はどM」 東京拘置所の取調室で2021年6月2日、詐欺容疑で逮捕された会社社長は黙秘を続けていた。 「黙秘したらええやん。損やけどな、黙秘」 「ここで黙秘をするのはどMやと思う」 取り調べを担当したのは東京地検特捜部に所属していた堀木博司検事(58)=現大阪高検。憲法は自身に不利な供述を誰からも強いられない黙秘権を保障している。 にもかかわらず、検事は否定的な発言を繰り返した。 取り調べは社長が逮捕された同年5月27日以降、41日間計205時間に及んだ。全過程がカメラで録音・録画された。 記者はその一部を入手。日を追うにつれ、検事の関西弁はエスカレートした。 「検察庁を敵視するってことは、反社や」(6月3日) 「たちの悪いやくざの組長ぐらいやで、そんなことすんのは」(6月4日) 「破滅したいんか。やったら1人で行ってくれ。な、ええか。家族巻き添えにするな」(6月19日) 7月5日には「黙秘を人のせいにするな。自分が選んだんやろ」と怒声を上げた。 被告が「してません」と反論すると、「してるやろうが」と再び大声を上げた。 東京地裁は今年6月、堀木検事を特別公務員暴行陵虐罪で刑事裁判にかける付審判決定を出した。 付審判は、公務員の職権乱用について告訴・告発した側が検察の不起訴処分に納得できない場合、裁判所に刑事裁判を求める手続き。社長の弁護人の申し立てが認められた。 記事後半では、裁判所からの「不信」に混迷する検察の現場と組織の責任を取り上げています。取り調べがなくても…皮肉な結果 地裁の決定文は、検事が21年7月5日に「黙…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【次の記事】「私は一つも気にしない」 暴露された検察改革「形骸化」の映像【前の記事】自宅待機1年半は会社のパワハラか 夫の死が問う「働く」意義関連記事