中央合同庁舎第2号館に掲げられる警察庁・国家公安委員会の看板=東京都千代田区で2022年8月25日午後2時38分、北山夏帆撮影 警察庁は15日、ストーカー対策を強化するため、加害者に全地球測位システム(GPS)機器の装着と治療・カウンセリングの受診を義務付ける措置の導入に向け、有識者会議を設置すると発表した。19日に初会合を開き、早期の報告書とりまとめを目指す。導入にはストーカー規制法の改正が必要になる見込み。 政府が7月に公表した緊急対策を具体化する。有識者会議は刑事政策や行政法、憲法を専門とする大学教授に加え、治療やカウンセリングの専門家、2012年に神奈川県逗子市で起きたストーカー殺人事件の遺族ら計8人で構成する。Advertisement GPS装着は、加害者の移動の自由やプライバシーを制約する措置となるため、制度設計の在り方について慎重な議論が必要となる。一定の危険性があると判断した加害者にGPS機器をつけさせ、接近した場合に被害者に通知し迅速な避難につなげる仕組みが想定される。対象となる加害者の選定や被害者への通知方法、一度つけたGPS機器をどのタイミングで取り外すかなどが検討事項となる。 また、治療・カウンセリングについては、警察は24年3月から禁止命令を受けた加害者全員に受診を勧めているが、任意のため受診率は1割にも満たないのが現状となっている。有識者会議では、医学や心理学の観点から受診を義務付ける有効性について意見を求める。 今回の議論のきっかけは、今年3月に東京都豊島区の商業施設で、勤務中のアルバイト女性(当時21歳)が元交際相手に刺殺された事件だった。元交際相手はストーカー規制法違反容疑で逮捕後に罰金刑を受け、釈放前日には接近を禁じる禁止命令が出ていた。その際、治療・カウンセリングの受診も勧めたが拒否されており、従来の対策では重大事件が防げないと指摘されていた。 警察によるストーカーの取り扱いは近年増加傾向にあり、25年に都道府県公安委員会が出した禁止命令は前年より622件増の3037件と過去最多を更新。警察への相談件数も25年は2万2881件と過去2番目に多く、高止まりが続いている。【深津誠】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。