記者らに囲まれながら首相官邸に入る簗和生農相(中央)=2026年10月14日午後6時27分、藤井達也撮影 衆院選で自身を支持しなかった首長がいる2自治体を名指しして「予算をカットした」などと発言した簗和生前農相=衆院栃木3区=の問題。簗氏は農相を更迭されたが、予算への働きかけの有無はグレーのままだ。国土交通省は簗氏と職員の面会の事実は認めたものの、「記録は残していない」とし、具体的なやりとりは明かさなかった。「政官接触」のルールが不十分な現状を浮き彫りにした。「記録ない」繰り返す国交省 国交省が調査内容を明らかにした6日の説明では、2月中旬ごろに簗氏から、佐々木紀副国交相と黒田昌義官房長(いずれも当時)に栃木3区の那須烏山市と那珂川町の2026年度の社会資本整備総合交付金の予算配分の問い合わせがあり、黒田氏らは「分からない」と答えたとされる。 黒田氏は接触について事務方トップの事務次官とナンバー2の技監に報告。だが国交省の説明では、簗氏からの問い合わせ内容について「細かいメモがないのではっきり覚えていないが、後日配分額の決定を伝えたことから、増減についてのおたずねがあったと考えられる」「はっきり覚えていないくらいだから、働きかけや圧力はなかったと思う」と黒田氏の曖昧な認識を述べるにとどめた。 4月7日の今年度予算成立後の「日時が不明」な時期には佐々木氏が2市町の予算が減額されたことを簗氏に回答し、5月24日の簗氏の問題発言につながったとされる。佐々木氏と簗氏のやりとりの記録についても国交省の担当者は「『(佐々木氏は)残っていない』と言っていた」とした。 記録を残さなかったことについて、国交省の担当者は内閣府の「行政文書の管理に関するガイドライン」にのっとったと強調。ガイドラインでは「事案が軽微な場合を除き」文書を作成するよう求めているが、「軽微」なものとして「問い合わせに対する応答」が挙げられており、これに該当するとした。 ただ、歯切れの悪さはつきまとった。13日の記者会見でも井林辰憲国交相は「公式、非公式にかかわらず一切メモがないのか」との記者からの問いに、具体的な回答を避け「記録自体が作成されていない」とのフレーズを再三繰り返した。「政官接触」の実態は 実際、現場では予算を巡って政治家からの働きかけはあるのか。…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】続投の麻生、小泉氏 維新初入閣の評価は 高市人事の「通信簿」関連記事