8月17日の襲撃で、ベニヤ板や金網が大きく破壊されたフランス鴨の小屋=北海道ウイングファーム提供 日本では希少な高級食材として知られる、フランス鴨。「食の王国」として名をはせる北海道でも一つの養鶏場で飼育されているのみという。 北海道の新たなブランド肉を生み出す試みは、招かれざる客によって苦難を強いられている。 道内で猛威を振るうヒグマのことだ。 昨秋から飼育小屋を襲撃されること、実に8回。並行して育てているニワトリと合わせて約150羽が死んだり、行方不明になったりした。 まさに味を占めたヒグマの蛮行には、ある理由が潜んでいた。 <ヒグマの執着心がもたらした影響を、次のポイントから考えます> ・「人間がおいしいと思うものは……」 ・予期せぬ襲撃に「まさか」 ・経営に打撃 ・捕獲の切り札は 「人間がおいしいと思うものは……」 9~10月に札幌市で行われた食の祭典「さっぽろオータムフェスト」。北海道各地の旬の食材やご当地グルメがそろい、毎年200万人以上が来場する人気イベントの会場で、「北の鴨肉専門店」と書かれた看板が目に入った。 今回で4年目の出店となる養鶏場「北海道ウイングファーム」(岩見沢市)が手がける屋台だ。店頭には香ばしく焼かれた串焼きなどが並ぶ。 ウイングファームが飼育するのは、「バルバリー種」と呼ばれるフランス鴨。国内で一般的に流通しているマガモやアイガモと比べて2倍ほどの体の大きさで、カモ肉特有の臭みが少なく、弾力があって芳醇(ほうじゅん)な味わいが特徴という。 ウイングファームの小川弘康社長(48)は複雑な表情を浮かべ、つぶやいた。 「人間がおいしいと思うもの…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「撃つ」だけじゃない 護衛ハンターが考えるクマとの向き合い方関連記事