介助犬のポノと一緒に長女と過ごす阪本彩乃さん=神戸市内で2026年9月7日、久保玲撮影 ゆりかごのそばには、心強い「相棒」がすやすやと眠っている。 名前はポノ。 レトリバー系の5歳のオスだ。 飼い主の阪本彩乃さん(29)は、体に不自由が生じる難病を抱える。 ポノが介助犬になって2年。 ハワイの言葉から「幸せをもたらす」との願いを込めて名付けられたパートナーは今年、新たな家族を迎えた。 新米ママと介助犬。力を合わせて子育てに奮闘する日々がはじまった――。 <記事の主な内容> ・「二人三脚」ならぬ一人と一匹で ・突然襲った病、外出控え ・「すみません」が「ありがとう」に ・飾らない日常、SNSで発信「二人三脚」ならぬ一人と一匹で 「テーク、タオル」 8月、ある日の昼時。生後7カ月になった長女が足をばたつかせて、布団代わりのタオルを床に落としてしまった。 しゃがむことができない阪本さんに代わり、ポノが駆け寄ると、床のタオルを口でくわえて手際よく渡した。 阪本さんは、神戸市内の自宅で4歳年上の夫らと一緒に暮らしている。 日中は家族が仕事で不在になるため、阪本さんとポノは「二人三脚」ならぬ一人と一匹での子育てに励む。 阪本さんはへそから下の感覚が鈍く、自力で歩き続けられるのは30分ほど。学生時代のけがも重なって膝が曲がらず、転倒すると一人で起き上がれない。 そんな阪本さんの育児と日常生活を、ポノが支えている。 のんびりしていて甘えん坊。家ではよく寝ているポノだが、物を拾ったり、引っ張ったりする作業は得意だ。 阪本さんは言う。 「ポノがいなかったら娘は生まれていなかった」 難病と向き合う阪本さんが出産を決意するまでには、ポノと積み重ねた日々があった。突然襲った病、外出控え 体に異変を感じたのは、18歳の時だった。 転倒した時にとっさに手をつくことができず、顔を強く打ち付けた。 「何かおかしい」 当初は精神的なストレスだろう…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】外国ルーツの2人が政治団体設立 「共生から共創」に込めた思い関連記事