アップのため学校敷地内を走る柏市立高柳中の特設駅伝部員=千葉県柏市で2026年9月17日午後3時38分、石川宏撮影 78回目を迎える伝統の「東葛飾地方中学校駅伝競走大会」(東葛駅伝、千葉県教育庁東葛飾教育事務所や毎日新聞社などでつくる実行委員会主催)が17日に開かれる。参加する中学校は東葛6市のほぼ全ての74校で、地域密着の駅伝大会だ。レース本番を前に、注目の中学校を訪ねた。地域で学校を支える土壌 柏市立高柳中には、駅伝好きな生徒の保護者や元保護者らでつくる「高柳中走(そう)ゆかい」がある。「成長する子供の姿を見ると元気がもらえる。『内気な子が初めて堂々と走ってくれた』と親御さんも喜んでくれる」。1990年から駅伝を指導し、2002年に「走ゆかい」を創設した佐藤三雄さん(72)は、陸上に入れ込む魅力をこう話す。Advertisement 佐藤さんは岩手県前沢町(現奥州市)出身で、中学時代には800メートルリレーで岩手県大会に出場したという。息子が高柳中で駅伝に取り組み、「子供と一緒に走りたい」と陸上の指導を始めた。当初は佐藤さん1人だったが、徐々に仲間が増え、「走ゆかい」創設翌年には主に小学生を対象にした「高柳ジュニアランニングクラブ」も設立した。 高柳中には、生徒の保護者で作る「高柳中振興会」と、元保護者で作る「高柳中協力会」があり、校庭の樹木の剪定(せんてい)や雑草の草刈り、体育祭や文化祭での看板設置を担うなど、地域で学校を支える土壌がもともとあった。柏市立高柳中特設駅伝部員と一緒にガッツポーズをとる佐藤三雄さん(後列右端)と木村康夫さん(後列左端)=千葉県柏市で2026年9月17日午後3時47分、石川宏撮影 木村康夫さん(65)は娘が駅伝部に入ったのをきっかけに、佐藤さんらの活動に賛同して指導に加わった。自身も松戸市立第五中で3年間東葛駅伝を走った。日本陸連のS級審判員の資格を持ち、船橋市陸上競技協会副理事長でもある。「長距離は練習を重ねれば伸びるし、努力をしたら強くなれる競技。子供とともに喜びを得られる体験はなかなかできない」と情熱を傾ける理由を話す。コロナ前には夏合宿も練習前にミーティングをする柏市立高柳中特設駅伝部員と、見守る佐藤三雄さん(中央奥)=千葉県柏市で2026年9月17日午後3時49分、石川宏撮影 中学生も佐藤さんや木村さんを頼っている。高田想弥さん(3年)はジュニアランニングクラブでも指導を受ける。「腕を左右に振って走っていたけれど、体がぐらぐらしないように腕を締めることを習った。ペットボトルを頭の上に乗せて歩く訓練で、体幹がぶれないようになった」とうれしそうに話す。 正池(まさいけ)航一朗さん(3年)は「小学生の時は太っていて足が遅かった。以前は3000メートル17分だったが、駅伝部に入った今は10分10秒で走れる」と誇らしげだ。 新型コロナ以前は2泊3日の夏合宿を2回行い、正月の練習始めに豚汁の炊き出しもした。「走ゆかい」を始めた当初、約10センチだった中学校のケヤキ並木の幹は約40センチと一回り太くなった。 特設駅伝部顧問の福田日和(ひより)教諭(24)は「学校と地域のつながりが薄れていく中、高柳中を気にかけてくれる地域の人がいることは心強い限り。駅伝に関する知見を頂き、自分の成長にもつながる」と話す。【石川宏】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。関連記事