テラ・クライシス:「応急処置」超えた戦略を 英専門家が問う日本のエネルギー安保

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響灘洋上ウインドファームの発電用風車。25基が稼働している=北九州市若松区沖で2026年4月20日午後2時26分、上入来尚撮影 ロシアのウクライナ侵攻に続くイラン危機は、エネルギー安全保障のあり方を改めて問いかけている。石油やガスの調達先を多様化するだけで、将来の危機に備えられるのか。英国の気候政策シンクタンク「E3G」で「エネルギー転換外交」を担当するマット・ウェブ氏は、国内で生み出す再生可能エネルギーを増やすことが、安全保障と産業競争力の強化に欠かせないと指摘する。欧州の専門家の目に日本の対応と課題はどう映るのか。【聞き手・八田浩輔】欧州のガス価格は2.5倍に ――二つの危機は、欧州のエネルギー政策をどう変えましたか。 ◆異なる二つの影響がありました。ロシアの侵攻が欧州にもたらしたのは、差し迫った直接的なエネルギー供給危機です。ロシアからのパイプラインによる天然ガス供給を失って調達先の多様化が進み、再エネの拡大やエネルギー効率化に向けた大きな転換が始まりました。 一方、米国とイスラエルによるイラン攻撃と「ホルムズ危機」で欧州は、供給そのものよりも価格を通じた打撃を受けました。影響は少し遅れて表れ、欧州の9月のガス価格は昨年同期と比べて2・5倍に上昇しました。 二つの危機を経て、欧州は再エネをより早く導入するための送電網整備と電化を一層重視しています。2021年以降に欧州に新設された再エネ260ギガワットの大部分が、ロシアのウクライナ侵攻以降に導入されました。 政治的に中東に安定を取り戻すのは難しい。それゆえ、エネルギー安全保障のため世界の協力国と共にどのように行動すべきか、という戦略的な議論も促しています。その相手には、日本や韓国、インドも含まれます。いずれもクリーンエネルギー技術の分野で主導的な役割を果たさなければならない国々です。今の日本は「その場しのぎの修理」…Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。【前の記事】「奇跡は起きず」も最悪は回避 気候学者と読む1.5度超の世界関連記事