店の窓ガラスを割る若者ら=パリで2026年10月18日、AP フランスでデモ参加者の一部が暴徒化し、各地で商店への襲撃や放火が相次いでいる事態を受け、マクロン大統領は18日、エリゼ宮(大統領府)で演説した。「我々は怒りと恥辱を感じている」と述べ、沈静化を呼びかけるとともに、捜査を徹底する考えを示した。デモ参加者が訴えたエネルギー価格高騰や教育環境改善などの課題に対処するとも述べたが、具体案は示さなかった。 仏メディアは、各地で破壊や略奪などの被害を受けた店舗数が3000を超えると担当閣僚が19日明らかにしたと報じた。被害を受け、ルコルニュ首相は19日、限定した地域で夜間外出禁止令を出すよう各県知事に要請したと発表した。Advertisement マクロン氏は18日の演説で、「極左の一派が犯罪者と結託して暴力行為を行った。いかなる理由であっても正当化されない」と強調。捜査と並行して被害に遭った商店主への補償を急ぐ考えも示した。また、「国に必要なのは秩序と平和だ」とも述べた。防護服をまとった警察官の横で燃える炎=パリで2026年10月18日、ロイター フランスでは17日、各地で生活費高騰への抗議や教育環境の改善を訴える大規模デモがあり、約55万人が参加した。マクロン氏は参加者らの不満に「理解できる」と共感を示し、対策を誓った。 ただ、金融市場は悪化するフランス財政の先行きに懸念を強めており、国債の長期金利は一時2002年以来の水準まで上昇した。財政出動を伴う手は打ちづらく、手札は限られるのが実情だ。演説でも、施策への具体的な説明はなく、事態が沈静化するかは見通せない。 来春に予定される大統領選の有力候補、マリーヌ・ルペン氏を擁する極右政党「国民連合」のバルデラ党首はX(ツイッター)への投稿で、「この臆病で混乱した権力は、国民に何も言えず、提案もできない。国民を守る力さえない」と批判した。 仏紙ルモンドによると、デモの規模は小さくなったものの、18日もパリやリヨンで略奪行為や警察との衝突が確認されている。【ブリュッセル岡大介】Google検索で「毎日新聞」の記事を優先的に表示できます。