映画の推し事毎日新聞 2026/5/13 22:00(最終更新 5/13 22:00) 1926文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷映画「猫を放つ」で監督と脚本を務めた志萱大輔監督(左)と出演した俳優の谷口蘭さん=東京都渋谷区で2026年4月2日、井上知大撮影 人の「記憶」は曖昧で、時に無意識に書き換えてしまうものだ。そんな記憶にまつわる映画「猫を放つ」が東京・渋谷のミニシアター、ユーロスペースで公開中だ。 2025年、韓国・釜山で開催された「第30回釜山国際映画祭」のコンペティション部門に出品され、韓国での上映も予定されている。メガホンをとった志萱(しがや)大輔監督(31)と、出演した俳優の谷口蘭さん(36)に話を聞いた。Advertisement交錯する「現在」と「過去」 写真家のマイコ(谷口さん)と音楽家のモリ(藤井草馬さん)の夫婦は、心に距離ができてしまっている。映画「猫を放つ」の一場面。アパートの部屋で話すモリ(右、藤井草馬さん)と、妻マイコ(谷口蘭さん)=©2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners そんなある日、モリはかつて仲の良かった友人のアサコ(村上由規乃さん)と街で偶然再会。2人は公園を散歩しながら話し込む。 互いに口には出さないが、何年も前の忘れられない一夜を思い出していた。でも、実はそれぞれが全く違う見方をしていた。 映画は、マイコとモリの夫婦関係を中心とする「現在」と、モリとアサコの記憶をたどる「過去」が交互に展開する。 そして、アサコとの思い出を振り返ったモリは、改めてマイコと自分の今を見つめ直し始める。映画「猫を放つ」で監督と脚本を務めた志萱大輔監督=東京都渋谷区で2026年4月2日、井上知大撮影18年に撮影した映像が元に 脚本も手掛けた志萱監督にとって初の長編作だ。18年に別の構想で撮影していた映像が元になっている。 当時の撮影中、モリとアサコの一夜を「異なる視点で描く」というアイデアが浮かんだ。 志萱監督は「思いついて撮ってみたのはいいが、この部分をどう生かせばいいのか分からなくなってしまった」と振り返る。 作品として仕上げられないまま撮影は中断。その後、別の短編映画を撮ったり、新型コロナウイルス禍があったりしたため、映像は数年間寝かされた状態となった。 実際に時間が経過したことで志萱監督は「別の時間軸の物語を作って、あの一夜を思い出す『記憶違い』のように描けばいいのでは」とひらめく。 そして、「あの夜」から何年もたったモリの「現在」にあたる物語を撮るべく、24年に製作を再開。18年に撮影していた映像と合わせて一つの作品として完成にこぎ着けた。映画「猫を放つ」の一場面。モリ(左、藤井草馬さん)は、偶然再会したかつての友人アサコ(村上由規乃さん)と公園を散歩する=©2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners タイトルは「猫を放す」だが、作中に猫は出てこない。 志萱監督は言う。 「僕の中で猫は、『記憶』の象徴。昔の恋愛などをふいに思い出してちょっと恥ずかしくなるようなことって多くの人が思い当たるはず。気まぐれにやってくる記憶という猫を、力を抜いて解き放すイメージです」「優しいようで身勝手」なマイコ 谷口さん演じるモリの妻マイコは、ある事情で音楽家の仕事を休んでいるモリを心配し寄り添おうとしているが、モリの反応はいつも素っ気ない。 序盤の、モリと暮らすアパートの場面は谷口さんにとって印象深いシーンの一つだ。 眠れない夜、二人はギクシャクした会話を繰り広げる。ポーズをとる俳優の谷口蘭さん=東京都渋谷区で2026年4月2日、井上知大撮影 谷口さんは「怒ることに慣れていないマイコの感情が、最初に垣間見える瞬間です」と解説。このシーンで二人の溝が鮮明になる。 一方で、マイコは別の男性と怪しい仲であることも描かれる。 そんなマイコを谷口さんは「優しいようで自分勝手な人」と捉え、「共感はしませんでしたが、人間誰しもどこかに欠陥はあります。全部含めてマイコをいとおしく感じて演じました」と語る。 松山市出身の谷口さんは、俳優を志し高校を中退して上京した。 しかし、芸能事務所のオーディションに落ち続け、ヘアサロンのカットモデルなどをしながらなんとか暮らす日々が続いた。 転機は22歳の頃。知人の勧めでファッションモデルのアルバイトを始めたところ、モデル専門の事務所からオファーがあった。 当初はモデルに興味はなく「俳優志望なので」と断ったが、事務所の社長から「うちを踏み台にしても結構。マネジメントさせてください」と言われ、モデル活動を始めた。 すると、モデル業中心ではあったがどんどんと仕事が入り、小規模な映画などにも出演できるようになった。映画「猫を放つ」の一場面。モリ(右、藤井草馬さん)は、偶然再会したかつての友人アサコ(村上由規乃さん)と公園で話し込む=©2025 “Leave the Cat Alone” Film Partners「見た人がポジティブな気持ちに」 今作「猫を放つ」は、10年以上前に谷口さんの出演作を見ていた志萱監督たっての希望でキャスティングされた。 志萱監督は「谷口さんの目が魅力的で、いつか自分の映画に出てほしいと思っていました。物憂げな雰囲気はマイコにぴったり」と話す。 映画は終盤、アサコとの再会を経たモリの感情に変化が生じ、モリとマイコの関係性が一歩前進したムードで締めくくられる。 谷口さんは「映画を見たお客さんにもきっと、それぞれに抱えている問題があると思う。でも『そんなに悩まなくてもいいんだ』『意外となんとかなるかも』とポジティブな気持ちになってくれたら」と話した。映画「猫を放つ」で監督と脚本を務めた志萱大輔監督(左)と出演した俳優の谷口蘭さん=東京都渋谷区で2026年4月2日、井上知大撮影 15日から名古屋・センチュリーシネマ、30日から大阪・シネ・ヌーヴォほか、全国で順次公開される。【井上知大】【時系列で見る】【前の記事】増量140キロ アクションもキレキレ目黒蓮 役の幅と深み広げて新章開幕関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>