Windows 11は、リリース当初から要求スペックが高すぎることで話題になったOSです。特にCPUの世代制限やTPM要件によって、比較的新しいPCでも非対応と判定されるケースが多くあり、ユーザーの批判を招いていました。しかし、そんなWindows 11を20年前の超古いハードウェアで動かしたところ、予想外に安定して動作したという興味深いレポートが公開されています。DDR1+AGPという化石構成で挑む実験を行ったのはレトロPC愛好家のOmores氏です。使用したのは2003年頃のASRock ConRoe865PEマザーボードで、DDR1メモリとAGP8xスロットを備えた古の構成です。CPU: Core 2 Quad Q6600メモリ: DDR1 3GBGPU: Radeon HD 4650(AGP版)同氏によると、Windows 11のインストール自体は、ハードウェアチェックを回避することで問題なく進んだものの、最大の壁はAGPドライバーの欠如だったとのことです。MicrosoftはWindows 10初期以降、AGP向けのGARTドライバーを削除しており、そのままではGPUがCode 43を出して正常動作しません。GART(Graphics Address Remapping Table)ドライバーは、AGP(Accelerated Graphics Port)専用のメモリアクセス方式をOSに提供するためのチップセット固有ドライバーですOmores氏は、古いWindows 10からIntel AGP440 SYSドライバーを抽出し、INFを改造してWindows 11に認識させるという力技を使います。さらにAMDが2012年に提供した最後のAGP用Catalystドライバーを組み合わせることで、AGP 8Xのフルアクセラレーションを復活させました。その結果、20年前の構成にもかかわらず、驚くほど普通に使えるレベルの安定性を示したとのこと。例えば以下のような検証が行われています。H.264 のハードウェア再生が正常に動作Firefox などのアプリが快適に利用可能古いゲームも大きな問題なく動作3DMark 2001 も完走ただし、Windows 11 24H2ではSSE4.2が必須化され、AGP時代のCPUはこの命令セットを持たないため、23H2が最後の対応バージョンとなっています。つまり24H2以降の最新のWindows 11を古いハードで使い続けることはできません。レトロPCの可能性を感じる実験今回の結果は、公式には完全非対応のハードウェアでも、工夫次第でWindows 11が驚くほど安定して動くことを示した事例です。もちろん実用性は限定的ですが、レトロPC愛好家にとっては非常に興味深い成果と言えます。