帰れないひとびと ミャンマー国境から現場ルポ 小泉大士毎日新聞 2026/7/1 05:01(最終更新 7/1 05:02) 有料記事 4010文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷リハビリに臨む患者=タイ・メソト郊外のサンシャイン・ケア・センターで2026年5月25日、久保玲撮影 命は助かった。だが、その先をどう生きればいいのか。 タイ北西部メソト郊外のリハビリ室で、ミャンマー人の若者が手すりにつかまり、一歩ずつ足を前に出していた。床に敷かれたマットの上では、別の入所者が重りをつけた脚をゆっくりと持ち上げている。 そばで体を支えるのも、ミャンマーから逃れてきた若者だった。 戦闘で傷つき、病院で手術や治療を受けた若者たちがいた。だが、元の体にも、元の生活にも戻れない。 10代後半から20代の若者も少なくない。地雷、砲撃、銃撃、空爆――。 傷口がふさがっても、失った手足や視力、記憶は戻らない。仕事や家族とのつながりを失った人もいる。 ミャンマーでは2021年のクーデター後、国軍側と民主派の抵抗勢力、少数民族武装勢力などとの戦闘が広がり、内戦状態が続いています。連載「帰れないひとびと ミャンマー国境から」の番外編として、傷ついた若者たちの「その後」を上下2回に渡って掲載します。㊦「もう脚はない。これが現実」 地雷の傷に「回復」はあるのか(2日午前5時) ここは、サンシャイン・ケア・センター。通称SCC。ミャンマー国境に近い施設で、若者たちはリハビリや通院支援を受けながら、戦闘の後に残された時間を生きていた。 SCCは、最初から用意されていたわけではない。一人を助け、次の一人を 創設者のネイチーリンさん(39)はミャンマーの最大都市ヤンゴンで育ち、若いころにタイ北部チェンマイへ移った。そこでカレン人の夫と出会った。タイとミャンマーの国境にある難民キャンプで暮らした経験もある。 2021年2月のクーデター後、ネイチーリンさんはミャンマー側で、市民的不服従運動(CDM)に加わった公務員らを支援していた。だが、支援金を送ったことを当局に把握された。 身の危険を感じ、ミャンマー東部カイン州のレイケイコーに移った。比較的安全だと思われていた場所だった。だが21年12月、国軍の砲撃が町を襲った。子どもを抱え、住民らとともに川を越えてタイ側へ逃れた。 避難民の中には、けが人もいた。タイ語が分からず、病院で何を言われているのか理解できない。薬が必要な人がいる。食べ物を求める子どももいる。 ネイチーリンさんは食料を集め、薬を探し、病院での通訳を手伝った。 その場しのぎの支援だった。だが、戦闘が長引くにつれ、助けを求める人は増えた。 手術を受けても、退院後に行き場に困る人がいる。通院が必要でも、交通費がない。傷の処置を続け、薬を飲み、次の診察を待つ間、安心して寝泊まりできる場所も必要だった。 「最初からセンターを作るつもりだったわけではありません」。ネイチーリンさんはそう話す。 目の前の一人を助け、次の一人を受け入れる。その積み重ねが、SCCになった。 やがて、体が動くようになった人は、新しく来た負傷者を支える側に回るようになった。料理人だった若者は、国境へ向かった コーカンさん(24)も、その一人だ。 クーデター前、彼はヤンゴンで料理人として働いていた。メルセデス・ベンツのショールームに併設されたレストランで、パスタやステーキ、ピザなどを作っていた。安定した仕事があり、将来もあった。 その若者は、やがて片手を失い、メソトの病院で途方に暮れることになる。 クーデター後、抗議活動に加わった。オンラインでも抵抗を呼びかける文章を書いた。国軍に…この記事は有料記事です。残り2617文字(全文4010文字)【前の記事】命の先に続く戦争 傷ついた若者の「その後」支える国境の施設関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>