2026年6月、開発者界隈で広がっていた「WSL 3が登場する」という噂が、Microsoft自身の手で正式に否定されました。Windows Subsystem for Linux(WSL)を担当するプロダクトマネージャー Craig Loewen氏が「WSL 3は存在しない」と明言し、話題となっていた「WSL 3らしきもの」は、実際にはWSL Containersという新機能だったことが判明したのです。As a PSA, there is no such thing as WSL 3! I've seen some articles talking about it, and it's not currently a thing. However we did just announce WSL container (Or WSLc for short which might be where the confusion is coming from) and that will be available in just a week or so!— Craig Loewen (@craigaloewen) June 23, 2026 WSL Containersは、WSL 2の上に新たなコンテナ実行レイヤーを追加するもので、Docker Desktopを使わずにLinuxコンテナをWindows上で直接扱えるようにする機能です。WSL Containersは本日よりパブリックプレビュー版が利用可能となっています。WSL Containersとは何かWSLは、Windows上でLinux環境を動かすための仕組みですが、WSL Containersはその上に「Linuxコンテナをネイティブに扱うためのレイヤー」を追加するものです。コンテナは、アプリケーションと依存関係をまとめた軽量な実行環境で、VMのようにOS全体を仮想化するわけではありません。起動が速く、移植性が高いのが特徴です。WSL Containersには以下のようなメリットが存在します。Docker Desktopを使わずにコンテナを実行できるwslc.exeという新しいCLIで、Dockerに近い操作感のままコンテナを扱えるGPUパススルーに対応し、CUDAなどのGPUワークロードも実行可能Windowsの管理基盤(ポリシー、MDM、監査)と統合され、企業環境で扱いやすいWSL Containers は「WSL 3」という新バージョンではなく、WSL 2 の上に追加される新機能ということになります。Docker EngineをWSL内に手動で入れる必要がなくなり、ライセンス管理も簡素化されるため、Windows開発環境の利便性が大きく向上します。なぜMicrosoftはLinux対応を強化し続けるのか現代の開発環境はLinuxに依存している部分が多い状態です。クラウド、CI/CD、AIフレームワークなど、ほとんどがLinuxを前提に設計されており、Windows上で開発する場合、Linux環境を別途用意する必要があり、手間がかかるのが長年の課題でした。WSL 2によるLinuxカーネルの提供、WSL Containersによるコンテナのネイティブ統合、Coreutils for Windowsの追加など、Microsoftは「Windowsを最も便利なLinux開発環境にする」という戦略を進めています。[via Windows Latest]