深掘り2026年7月2日 9時00分有料記事森本大貴教科書検定の意見撤回を求める沖縄県民大会。海浜公園を埋め尽くした人たちの中に坂本昇さんもいた=2007年9月29日、沖縄県宜野湾市 歴史教科書の執筆に長くたずさわった元高校教諭が昨秋、病気のため69歳で亡くなった。66歳まで教壇に立ったが、教科書執筆は50歳過ぎで離れ、戻ることはなかった。文部科学省の教科書検定で沖縄戦の記述を修正し、罪の意識をかかえ続けた。 坂本昇さん。1981年から40年余り計六つの都立高校に勤務し、日本史を教えた。時にユーモアを交え、古文書などの一次史料を多く用いる授業に、生徒の信頼は厚かった。 社会科の授業のあり方を研究する教員や学生らの団体「歴史教育者協議会」に参加し、知見を積みながら、30代半ばからは東京書籍の教科書執筆に関わった。同協議会委員長の山田朗・明治大教授(日本近現代史)は「史料を使った授業実践にたけた方。教育と研究のマインドとバランスに優れており、『教科書の監修者』として欠かせない存在だった」と振り返る。「取り残された人々へのまなざし」 学生時代は、日本近現代政治史研究の第一人者でオーラルヒストリーを拓(ひら)いた伊藤隆・東大名誉教授(故人)にも学んだ。97年、「新しい歴史教科書をつくる会」の設立に参加し、晩年は保守派の論客とされた人物。後年、坂本さんは「考えは相いれなかったが、史料にない歴史を証言で掘り起こす重要性を学んだ」と語っている。 90年代に両国高校(墨田区)に勤務していたころには、23年の関東大震災で起きた朝鮮人虐殺などに関する公文書を発掘した。共著を出し、継承運動の先頭にも立った。大切にしたのは「歴史から取り残された人々へのまなざし」だった。 沖縄戦の教科書記述では、渡嘉敷島の「集団自決」で兄とともに、母と妹弟を手にかけたという金城重明さん(故人)の証言を決まって取り上げた。「強いられた」を削除 そんな坂本さんが、2007年、駒場高校(目黒区)で教えていた時に直面したのが「集団自決」をめぐる文科省の教科書検定問題だった。 沖縄戦では、県民の4人に1…この記事の続きを読むなら今がお得。初回1カ月無料+Visaギフトカードが当たる▶今すぐ登録この記事を書いた人森本大貴オピニオン編集部|読者投稿担当専門・関心分野近現代史 教科書問題 依存症 ものの「語られ方」関連トピック・ジャンルこんな特集も教育情報(PR)注目ニュースが1分でわかるニュースの要点へ7月2日 (木)全国の路線価、2.9%上昇日銀短観、予想上回る改善富士山の登山シーズン始まる7月1日 (水)ブラジル戦から見えた差皇室典範改正案を閣議決定1ドル162円の深層6月30日 (火)愛子さま皇位継承「あり得ぬ」中国、対日禁輸を拡大ブタの腎臓をヒトに移植6月29日 (月)美輪明宏さん91歳で死去ひょうの被害が急増中ダニ予防、夏場までが肝心トップニューストップページへ森保監督に続投要請へ サッカー日本代表、契約期間は1年で打診か20:20独自ホルムズ通航、オマーンも「金銭徴収を提案」か 米イランは間接協議21:17授業中に消えた10歳男児、滝で見つかり死亡 特別支援学校長が謝罪22:30米国在住からだまし取った金を日本でマネロン容疑 中国人らを逮捕5:00ウィキペディア新CEOが打ち出す改革 AIの「ただ乗り」に対抗策6:00皇室典範「最優先」の衆院議長の仲介 招いた維新の警戒、覚書を要求5:00