村上春樹さん『夏帆』鴻巣友季子さん「ホットスポットに変化球」

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毎日新聞 2026/7/10 20:00(最終更新 7/10 20:00) 有料記事 3450文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷村上春樹「夏帆 The Tale of KAHO」新潮社=東京都千代田区で2026年7月8日、後藤由耶撮影 村上春樹さんが3年ぶりに長編小説『夏帆』(新潮社)を刊行した。長編としては初めて単独の女性主人公となる絵本作家・夏帆の物語だ。 村上作品を世界文学の中に位置づける論評をたびたび執筆してきた翻訳家、鴻巣友季子さんは本作について「いま最も注目と評価の集まる“ホットスポット”に変化球を投げ入れた」と見る。 書評を寄せてもらった。 作家・上田岳弘さんによる寄稿「村上春樹さんが試みた新メニュー」は12日午前8時に配信予定です「性的な場面」一切なし 多くのファンを欣喜(きんき)させるだろう。消えた猫、失(な)くした顔、境界線越え、秘密の通路、地下世界、脱出口、象徴殺人、動物寓話(ぐうわ)といった村上春樹ならではのアイテムが絶妙な形で再構成されている。なにしろ面白い。 初の試みと言えば、単独の女性主人公という設定だ。スウェットシャツに野球帽という服装や、質実な食の好み、人気者ではないが寄ってくる異性が一人二人は必ずおり、受動的で巻き込まれ型という夏帆の人物像は、村上の男性主人公そのままだが、女性に替えたのは理由があるのだろう。 これまで村上の女性の描き方が「一面的で、周縁化され、過度に性対象化している」(ニューヨーク・タイムズ、6月10日更新)などと国内外で批判を受けたことも幾らか関係しているのか、本作には性的な場面は一切ない。 一人の若い挿絵画家が異界を往還して絵本作家に成長する物語でもあるが、村上はこの道程を象徴的なマトリサイド(母親殺し)、即(すなわ)ちマトリックス(母体)との癒着からの分離というお伽(とぎ)話として書いた。 文学はパトリサイド(父親殺し)の主題を営々と書いてきたが、今世紀は女性文学の興隆もあって、いま世界文学シーンでは「母と娘」の主題――両者の愛憎、抑圧、桎梏(しっこく)、共依存、絶縁と和解を含む「母殺し」――が真っ盛りなのだ。 最新回の全米批評家協会賞を受けたインド作家の回顧録、ブッカー賞受賞の『少女、女、ほか』、同賞候補の『母を燃やす』『ホ…この記事は有料記事です。残り2608文字(全文3450文字)あわせて読みたいAdvertisement1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>