テラ・クライシスインタビュー 八田浩輔毎日新聞 2026/7/10 06:00(最終更新 7/10 06:00) 有料記事 2870文字ポストみんなのポストを見るシェアブックマーク保存メールリンク印刷国連大学水・環境・保健研究所のカーベ・マダーニ所長=米ニューヨークで2026年1月(国連提供) 人工知能(AI)が貴重な水を「がぶ飲み」している。国連大学水・環境・保健研究所は6月、世界のAI関連の水消費量が2030年までに倍増するとの報告書を公表した。「水のノーベル賞」と呼ばれるストックホルム水大賞受賞者のカーベ・マダーニ所長は、利用者がAIにかける「ありがとう」の一言にも環境コストが伴うと指摘し、その見えない負荷に目を向けるよう訴える。【聞き手・八田浩輔】 恩恵か環境負荷か データセンター集積地に忍び寄る不安新興・途上国の鉱山、健康に深刻な影響 ――今回の報告書で最も伝えたいことは。 ◆AIは単に仮想空間の中にあるものと捉えるべきではありません。大規模なインフラと膨大な物質の流れに支えられています。 重要鉱物の採掘に始まり、半導体の製造と輸送、データセンターの建設・運用、さらには電子廃棄物の処理までのあらゆる段階で環境に影響を及ぼします。 その意味では、他の製品やサービスと同じように、その背景で何が起きているかを知り、責任ある利用を心がける必要があります。AIが環境に及ぼす影響を正しく認識し、監視しながら管理していくことが重要です。 ――AIの恩恵と、水消費や土地利用による環境負荷はトレードオフの関係にあると指摘しています。どのような対策が求められますか。 ◆AIだけの問題ではありません。気候変動や環境問題において、もちろん重要ではありますが、世界は二酸化炭素に目を向けすぎています。例えば、生物資源由来のバイオ燃料は、(生産過程での間接的な消費を含めて、使用される水の総量を示す)「水フットプリント」が一部の化石燃料の70~400倍にもなります。再生可能エネルギーだからといって、常に「クリーン」「グリーン」とは言えません。 太陽光パネルやAIに使われる重要鉱物は世界各地から調達されます。その採掘が行われるグローバルサウス(新興・途上国)の鉱山周辺では、人々の健康や水資源に深刻な影響が及んでいます。つまり、データセンターの環境負荷は建設地だけに限定されるものではありません。どこで機器が生産され、原材料がどこから調達されたのかまで含めて考える必要があります。 AIという第4次産業革命で、各国は競争にさらされています。競争は技術革新を促しますが、その一方で影響を十分に評価しないまま、やみくもにインフラ拡大を急ぐことは避けなければいけません。負担だけが地域に残らないか ――弱い立場の人が影響を受けやすい環境不正義の問題ですね。 ◆その通りです。私は電気自動車(EV)に乗っています。大気汚染を減らし、炭素排出削減に役立つからです。しかし、バッテリーの原料がボリビアやコンゴ民主共和国で採掘されていると知れば、見方は変わります。鉱山周辺では水不足や健康被害が起き、子どもは学校に通えず、女性たちは劣悪な衛生環境に苦しんでいる現実があります。 そこで問いが生まれます。「豊かな国の将来世代を守るために、別の地域で暮らす現役世代の人々を犠牲にしていないか」と。 データセンターも同じです。建設が急速に進む中、その恩恵を受けるのは誰なのでしょうか。安全保障や経済への貢献は期待されていますが、そこで生まれる利益が誰…この記事は有料記事です。残り1548文字(全文2870文字) 恩恵か環境負荷か データセンター集積地に忍び寄る不安【前の記事】世界唯一の巻き貝も 深海採掘で熱水域の貝類6割が「絶滅危機」関連記事あわせて読みたいAdvertisementこの記事の特集・連載この記事の筆者すべて見る1時間24時間SNSスポニチのアクセスランキング1時間24時間1カ月アクセスランキングトップ' + '' + '' + csvData[i][2] + '' + '' + '' + listDate + '' + '' + '' + '' + '' + '' } rankingUl.innerHTML = htmlList;}const elements = document.getElementsByClassName('siderankinglist02-tab-item');let dataValue = '1_hour';Array.from(elements).forEach(element => { element.addEventListener('click', handleTabItemClick);});fetchDataAndShowRanking();//]]>